流れる(7) 歌川広重「東海道五拾三次之内 川崎 六郷渡舟」
脚本家 東多江子

美の十選
2019/4/19付
情報元
日本経済新聞 朝刊
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その他

品川から川崎宿まで10キロだそうだ。東海道で、六郷川(現多摩川)は最初の渡しになる。

落語「佃祭り」では、隅田川を渡舟で行き来してワンデイトリップを楽しむ江戸庶民が描かれているが、こちらは西の空があかね色に染まって、夕刻を知らせている。客たちは川崎で泊まりか。商人風の男はキセルを咥(くわ)えて下船を待つ。旅慣れた風情だ。船頭のからだのしなりがいい。静かに川面を流れる船の動きが伝わってくる。

ここ…

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