先祖伝来 米沢の怪異譚
藩士が残した昔話 親子の手を経て現代語に 水野道子
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キツネが恩返しに置いていった茶釜が奇跡を起こし、火事場に怪鳥が飛ぶ。肝だめしで墓場に繰り出したものの、正体不明の「魔」がさして肝を潰した若者のあわてぶり。ちょうちんの灯に照らされて、闇夜からぬっと現れる異形の童子の正体は……。
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上杉鷹山に仕える
江戸時代後期の天保12年(1841年)、米沢藩(現在の山形県米沢市)藩士の吉田綱富が自ら見聞きした怪異譚(たん)などをまとめた「童子百物かたり...