2019年7月24日(水)

人気着実ピンタレスト 上場間近 思い描く未来ピン留め
読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApe Lab編集長、日影耕造氏

コラム(ビジネス)
2019/4/3付
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NIKKEI MJ

画像検索・共有サービス「ピンタレスト」を手がける米ピンタレストが、米ニューヨーク証券取引所への上場を申請した。上場時の時価総額は120億ドルと大型の新規株式公開(IPO)となる見込みだという。

米国での利用を中心に、世界の月間利用者数が2億6千万を超えるという。日本ではツイッター、インスタグラム、フェイスブックのビッグ3の陰に隠れている面があるが、ユーザーは着実に蓄積している。

筆者が所属するフラー(千葉県柏市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」の推計によると、日本国内の2019年2月のピンタレストアプリの月間利用者数は138万人と17年2月に比べ3倍に伸長。現在の方法で調査を開始した16年6月と比べると、実に8.6倍に増えている。

19年2月の月間利用者の男女比率を見ると、女性が65%と多い。女性の年代別では30代が20%、20代も19%に上った。40代が16%、10代が12%で続く。

20.30代の女性からの支持や写真を軸としたサービスといった点から、ピンタレストは「インスタグラム」と比較されることが多い。しかし使い方は大きく異なっている。ユーザーがアプリ内で「過去」と「未来」のどちらに向き合うのかが、その差だろう。

ピンタレストは20.30代の女性の利用が圧倒的に多い

ピンタレストは20.30代の女性の利用が圧倒的に多い

インスタグラムではユーザー自身が体験したことを投稿したり、他のユーザーへの共感を「いいね!」で表現したりする。過去の出来事について、コメントでコミュニケーションを深めるのがメインとなる。

一方、ピンタレストはユーザー自身のアイデアや、興味・関心につながる写真や画像を検索・共有したりするのが中心だ。行きたい場所や欲しい商品、参考にしたいデザインのデッサンなど、ユーザーが思い描く未来に対する共感をピン留めし、他のユーザーと共有する。ユーザーは常に自身の未来と向き合う形だ。

ピン留めした自身の興味・関心に関連する写真が、レコメンドとして次から次へとタイムラインに出てくる。そのため、ユーザーは未来のアイデアや想像を無限にめぐらせることに没頭する。ユーザーが未来に向き合う特徴がインスタグラムとの利用方法の大きな違いを生み出し、ピンタレストの独自の立ち位置にもつながっている。

未来の自分のためにピンタレストを使って情報を収集しているユーザーは、ピン留めしたコンテンツをもとに商品を買ったりサービスを利用したりする可能性も高いだろう。企業にとっても、消費者との新たな接点としてピンタレストを活用できる可能性を大いに秘めているといえる。

可処分時間だけでなく、人々の未来の行動をアプリによって囲い込むピンタレストがIPO後に豊富な資金を背景にどんな思い切った施策を打ち出すのか、見守りたい。

[日経MJ2019年4月3日付]

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