20代で結婚、早くない モテる男性「3高」より「4低」
ミレニアルスタイル

2019/3/22付
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NIKKEI MJ

「20代のうちに結婚したい」――。まるで昭和の話のようだがそうではない。最近のミレニアルズは男も女もこぞって早く結婚したがっている。

最近の20代にとって、SNSでの結婚報告は白服2ショットが定番

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なぜなのか。情報が簡単に手に入る時代に育ったミレニアルズはバイトにしろ遊びにしろデビューが早く、早熟だ。話題のレストランに行く、ダイビングなど趣味を楽しむ、クラブではしゃぐ、などは20代前半までに済ませたから、新しい「家族」というステージに進みたくなるのだそうだ。

昭和の時代に20代で結婚したがったのは、男なら「社会的な信用」、女なら「30歳を過ぎたら売れ残り」という、保守的な理由が強かった。その後、女性の社会進出が進み、並行して晩婚が許容されるようになると、男性は結婚すれば「お金も時間も自由にならない」とおびえ、女性は「家事・育児と仕事を両立できるか不安」「若くして育休を取るなんて無理」と二の足を踏む。こうして晩婚化・少子化が進んでいったように思う。

ところが、ミレニアルズ男性にとって、結婚は何かを束縛するものではなく、純粋にワクワク・どきどきする人生の新しいステージにすぎない。女性にとってもそうだ。

「イクメン」という言葉が死語になるほど家事・育児分担は進み、企業の育児関連制度も十分過ぎるほど整った。「若いうちに育休をとったくらいで嫌みを言われたり、成長のチャンスが減ったりするような会社なら、辞めた方がマシ」と新卒で大企業に入社して1年目の女性は断言する。離婚へのハードルも下がった。だめなら別れればよいという割り切りが、結婚のハードルも下げる。

面白いのは、同時に、結婚相手に求める条件も変わってきたことだ。「今は『4低』ですよ!」と教えてくれたのは25歳の女性。「低姿勢」「低依存」「低リスク」「低燃費」の男性が結婚向きとされるという。家族に威張らない、家事・育児を女性に依存しない、リストラなどのリスクが少なく、無駄なお金を使わない男性だ。高学歴・高収入・高身長の「3高」を望んだ昔とは、真逆とも思われる男性が好まれるのは、女性の社会進出の裏返しに他ならない。

女性が「3高」を望んだ時代、男性も女性に家庭的であることを望んだ。しかし、どうやらそれも変わってきている。「稼ぐ女性がモテます」と先ほどの女性。婚活支援サービスのパートナーエージェントの調査によると、理想的なパートナーの年収を「自分より高い方がよい」と答える男性は、2012年から17年にかけて3.4ポイント増えて11.1%となり、「低い方がよい」は3.6ポイント減って14.5%。

社会学者の山田昌弘氏は著書「モテる構造」(ちくま新書)の中で、性的規範の硬直化の原因を異性からのモテに求めた。とすれば、異性にモテる男性像、女性像が変われば、規範は崩れていくはずだ。ミレニアルズの結婚観から浮かび上がるのは、根本からゆっくりと規範が変わっていくさまなのだと思う。

(ブームプランニング社長 中村泰子)

[日経MJ2019年3月22日付]

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