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春秋

流行に乗り遅れまいと、スマートフォンに決済アプリを入れた。あの巨大SNS(交流サイト)の系列である。さっそく使ってみよう。コンビニで鶏のからあげを買う。スマホで払う旨をレジで告げた。だが、パスワード入力の手が震えて、なかなか画面が出てこない。

▼読み取り機を手に待ち構える店員さんのいら立ちが伝わって、慌てて小銭で払い退散した。ほろ苦いデビュー戦である。レジに行く前にアプリを起動させ、コードを出しておかねばスムーズに進まぬようだ。鉄道系のICカードも支払いには便利だが、スマホに機能がまとめられるのなら、そちらになびく可能性もあろう。

▼秋の消費増税ではキャッシュレスの際にポイント還元の対策がとられるという。スマホ決済にも追い風か。筆者のごとく店先でまごつく人や、機器の導入や扱いで困惑する中小事業者もいよう。かつて、近所の八百屋さんは前掛けの右ポケットにお札、左に小銭を入れ、自在につり銭を出した。あんな技も絶えるのだろう。

▼スマホが支払い手段として普及していくにつれ、機器を通じて集められるデータはさらに増えるはずだ。それが、どのように活用されるのか利用者にはなかなか見えにくい。どこかの国で始まっているとされるように、市民生活の管理に使われてはたまらない。利便性の裏に潜む負の側面にも、目配りを忘れてはなるまい。

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