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FiNC、健康の個人需要とらえる AI活用、人力でも補助

読み解き 今コレ!アプリ フラー最高マーケティング責任者、杉山信弘

NIKKEI MJ

健康増進やダイエットのためのパーソナルトレーニングが注目を集めている。専属トレーナーが個人の健康状態に合ったプログラムを作成・指導するパーソナルトレーニングはもともと、欧米のセレブの間で流行していた。最近は日本でもSNS(交流サイト)などを通して、知名度が上がっている。

「FiNC」アプリは専用の体組成計から体重データを連携することもできる

だが、そのオーダーメードな特性ゆえに通常のスポーツジムのプログラムと比較するとコストが高い傾向があり、まだ誰にでも手が出せる状況ではない。その壁を人工知能(AI)の力で崩そうとしているアプリがある。「パーソナルAIトレーナー」を標榜するFiNCだ。

筆者の所属するフラー(千葉県柏市)が運営するアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」で算出したデータによると、FiNCの月間アクティブユーザー(MAU)は2018年の1年間で4倍以上増加した。1年前は20代女性がメインユーザーだったが、現在は20代から50代まで幅広い層が使い、男性の利用も20~30代を中心に少しずつ増えている。

また、アプリを月に1回以上起動する月間起動率は所持ユーザー全体の70%程度となっており、ユーザーが増えても高い起動率を維持していることもアクティブユーザー数の成長に貢献している。

高いアクティブ率の秘訣は、インセンティブ設計にあると筆者は考える。FiNCのアプリで最も特徴的な機能はAIによるサポートだ。日々の食事や睡眠、歩数などのデータを入力すると、AIが本人に合ったフィットネスやレシピ情報を提示する。

FiNCではデータを入力するたびにポイントがたまり、ヘルスケア関連商品をポイントで入手できるインセンティブもある。これによりユーザーの離脱率が下がり、ユーザーのヘルスケア情報が集積され、よりAIのレコメンドが上がっていくというサービス設計となっている。

サブスクリプション(定期購入)型のサービスも展開している。様々な専門家への相談やアドバイスをチャット形式でマンツーマンで受けられる。月額課金で960円とスマートフォンアプリでは高価な部類に入るが、パーソナルトレーニングと比較すると圧倒的に安価だ。まだAIでは補えていない専門的なアドバイスは、人力で補っていることも特徴だ。

ただ、課題もある。FiNCに搭載されているAIサポート機能は、筆者が試したところ、正直まだまだ途上段階にある印象だ。簡単な単語単位でしか適切な反応を示さず、サポート内容もヘルスケア情報の入力補助や単語単位でのレコメンドが中心だ。男性向けのコンテンツは少ない。

経済産業省の調査によると、フィットネスクラブの会員数は現在全国でおよそ350万人弱に達する。「1人1パーソナルトレーナー」時代に向けて、AIとコンテンツ両方を鍛え上げることが普及の鍵だ。

[日経MJ2019年2月20日付]

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