2019年3月20日(水)

ITで社員管理 行動データ化し分析
奔流eビジネス (D4DR社長 藤元健太郎氏)

コラム(ビジネス)
ネット・IT
2019/2/15付
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NIKKEI MJ

働き方改革や健康経営が企業経営にとっての重要な要素となっている。経営者にとっては多様化する働き方に対応したり、様々なハラスメントを未然に防止したり、健康管理をすることなどを求められる時代になっている。しかし、従来の管理手法だけではなかなかこうした複雑な状況に対応することもハードルが高い。そのためテクノロジーの力で解決するための多くの挑戦が出てきている。

ITを活用した働き方改革が加速しそうだ

ITを活用した働き方改革が加速しそうだ

そのひとつとして日立製作所ではウエアラブルセンサーとストレスチェックのデータから組織活性度を計測するサービスを展開している。誰が誰と何分間対面したか、デスクワークをしているのか、会話をしているのか、それはどの場所で行われているのかなどをセンサーで計測。社員の働き方やコミュニケーションをデータ化することが可能となる。

例えば部下と短い会話(挨拶、連絡、確認など)を頻繁に1日8回以上している部長が率いる組織は、活性化の度合いが高いという。課長が双方向の会話を1日24分以上確保していると、組織活性度が高いなど具体的なアクションに対するデータが見えて来る。一方で「自ら話す時間が少ない方が良い」と思う若手が多い企業の場合は、指示待ち文化の傾向が見えるという。

双方向の会話がどのくらい増えているかで変革に向けて施策の効果測定を行うような使い方も始まっている。

人事コンサルティングのベンチャー企業、識学(東京・品川)もユニークなアプローチをしている。雰囲気や仲が良い組織像が求められがちな中、責任の所在を明確することをメソッド化した。

これまでの企業は人の評価を基本とし、マネジメントにどのような人をあてるべきかという「人単位」でのマネジメントが基本だった。そのため人事部という組織がとても重要であった。

ふじもと・けんたろう 電気通信大情報理工卒。野村総合研究所を経て99年にフロントライン・ドット・ジェーピーを設立し社長。02年から現職

ふじもと・けんたろう 電気通信大情報理工卒。野村総合研究所を経て99年にフロントライン・ドット・ジェーピーを設立し社長。02年から現職

しかし、人の行動データが収集できるようになると、人というよりも実際にどのようなコミュニケーションがどのような場面で行われているかが重要になり、これからは人事部を「組織コミュニケーション部」という名前に変更する企業も出てくることになるかもしれない。

ただ企業活動は一般的な個人情報よりもプライバシーという考え方が適用されにくいため、どのような上司が若手にストレスを与えているか、パワハラは行われていないかなど全てを管理し分析することも可能になる。

使い方次第では厳密な人事評価などにも使えるかもしれないが、すべてのデータが分析され人事評価に使うという状況は監視されている感覚としての従業員の抵抗感も大きいことが予想される。

急速に進んできた組織の「行動データマネジメント」は、まだまだルールや組織文化も含めて試行錯誤が進むことになるだろう。

[日経MJ2019年2月15日付]

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