2019年7月18日(木)

コスメにもIoTの波 「使ってね」のメッセージ
先読みウェブワールド (山田剛良氏)

コラム(ビジネス)
2019/2/11付
保存
共有
印刷
その他

NIKKEI MJ

あらゆるモノがネットにつながるIoT。これまでは業務用途や産業向けでの活用が先行していたが、2019年は日用品の世界にもIoTの活用が進みそうだ。米仏の化粧品大手が見せたデモ展示から未来が垣間見える。

ロレアルが開発した皮膚に貼る使い捨てのセンサー

ロレアルが開発した皮膚に貼る使い捨てのセンサー

「おめでとう。連続で5日間使ってくれたね」。そう褒めてくれるのは日本発のブランド「SK-2」の化粧水ボトル。キャップ部に開閉センサーや発光ダイオード(LED)、制御回路やブルートゥース通信機能を内蔵。スマートフォン(スマホ)などと連動し、蓋の開閉などからユーザーの利用状況を記録したり、ボトルを光らせたり、音声でメッセージを発したりする。

朝晩になるとLEDでボトル全体を光らせて利用を促す。フタを開閉すると「疲れた時もちゃんとSK-2を使えば大丈夫だよ」などと話しかける。メッセージ内容に合わせて「癒しの青」や「応援の赤」が点灯する。

この化粧水ボトルを試作したのは同ブランドを展開する米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)。米ラスベガスで1月に開かれた家電・技術見本市「CES」の会場内でデモ公開した。現時点で実用化は未定とする。

開発の背景にはSK-2ブランドが狙う、若い世代への顧客層拡大がある。化粧水は朝夕などに利用するのが一般的。P&Gも1日2回、規則的に使い続けると美容効果が高まると推奨する。

しかし若い世代の女性は「忙しい」「疲れている」といった理由で化粧水を使わずに済ませがちだ。こうしたユーザーに定期的な利用を促すためにIoTを活用するアイデアが生まれた。

化粧水ボトルにIoT機能を組み込めば、サービスとの連携で個別ユーザーの利用実態をよりリアルに把握でき、理解を深められるメリットもある。「今後は利用時のサービスが重要になる」と同社は話す。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

フランスの化粧品大手ロレアルは1月、皮膚に貼ってpH(水素イオン指数)値を調べる使い捨て式センサーシステム「マイスキントラックpH」を発表した。まずは皮膚科医師を介して米国で提供を始める。微量の汗のpHにより色が変化するセンサーで、これをスマートフォンのアプリで読み取って肌のpH値を判定する。

ロレアルの狙いは肌の状態を手軽かつ正確に把握する手段をユーザーに提供すること。これまではpH値の測定に高額の機器が必要だった。

アプリではpH測定値と皮膚表面の発汗速度を計測し、肌の健康状態を評価できる。ロレアルにとっては科学的なデータを基にユーザーに最適な製品を推奨する「個別最適化」も一緒に狙えるわけだ。

IoTはセンサーやマイコンの高機能化と低価格化を背景に世界規模で普及が急速に進んでいる。一人に複数台のIoT機器をユーザーが気づかずに使いこなす時代はもうすぐそこまで来ているようだ。

[日経MJ2019年2月11日付]

「日経MJ」をお手元のデバイスで!

 日経MJではヒット商品の「売れる」理由を徹底リサーチ。売り場戦略から買い手の最新動向まで、独自に取材。「日経MJビューアー」を使えば、全てのデバイスで閲覧できるようになります。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。