ゾンビ企業とは 破綻状態「追い貸し」で延命
きょうのことば
▼ゾンビ企業 1990年代前半にバブル経済が崩壊し、その後に日本経済が停滞した「失われた10年」を分析する際に専門家が使い始めた言葉とされる。数年にわたって債務の利払いすらままならず経営が破綻状態にあるのに、銀行や政府などの支援によって存続し続けているような企業を指す。
バブル崩壊後の銀行は多額の不良債権を抱えており、早く処理しようとすれば銀行の財務内容が悪化して経営が揺るぎかねなかった。銀行は処理を先送りするために、再建の見込みがない企業に「追い貸し」をして延命した。ゾンビ企業が増えたことで経済の効率性が下がり、日本経済の成長を妨げたといわれる。

最近の国際的な研究では、ゾンビ企業が増えたのは各国の中央銀行が進めてきた金融緩和による低金利の影響があるとの指摘も増えてきた。国際決済銀行(BIS)は、3年以上にわたってインタレスト・カバレッジ・レシオ(利払い負担に対する利益の比率)が1未満にある企業をゾンビと定義。14の先進国では名目金利が下がるほどゾンビ企業が増えるという相関関係がみられたと分析している。