2019年9月16日(月)

スマホ決済 インドの波頭
SmartTimes BEENEXT ファウンダー・マネージングパートナー 佐藤輝英氏

2019/2/11 6:30
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日本のスマートフォン(スマホ)決済サービスが花盛りだ。昨年8月にLINEが加盟店手数料を無料化し攻勢をかける中、昨年末にはヤフーソフトバンクが出資するペイペイ(東京・千代田)が総額100億円規模の還元キャンペーンを展開し市場の話題をさらった。今年は確実に街中でのスマホ決済が進む一年になりそうだ。

1997年慶応大総合政策学部卒、ソフトバンク入社。2000年ネットプライス(現BEENOS)社長、同社を上場に導く。15年シンガポールを拠点に起業家支援のBEENEXT設立

1997年慶応大総合政策学部卒、ソフトバンク入社。2000年ネットプライス(現BEENOS)社長、同社を上場に導く。15年シンガポールを拠点に起業家支援のBEENEXT設立

キャッシュレス化が一足先に進むインドでは、2016年の高額紙幣廃止以降、オンライン決済の利用が3倍になった。インド政府はさらなるキャッシュレス社会の実現に向けて様々な政策を展開している。

中でも強力なのは、UPI(統合決済インターフェース)と呼ばれるモバイル決済に特化したインフラ。モバイルアプリを使って消費者が銀行口座から即時支払いをすることができる仕組みで、今ではIT(情報技術)大手企業や各銀行がそれぞれのモバイルウォレットを展開し、国内で170を超えるサービスが併存する形となっている。

BharatPeのサービスを使えば店頭に置くQRコードはひとつで済む

BharatPeのサービスを使えば店頭に置くQRコードはひとつで済む

そんな中、台風の目のような存在になりつつあるのがBharatPe社である。昨今のモバイルウォレット業界でのサービス乱立の間隙を縫うように、昨年8月に展開し始めた。

最大の特徴は、BharatPe社が発行する一つの統一QRコードで、あまたある全てのモバイルウォレットの決済を可能にしたことだ。インドの小売店では、多量のQRコードステッカーが所狭しと置かれているが、同社が提供するサービスを使えば店頭に置くのはひとつでよくなる。

しかも、小売店は専用アプリをダウンロードして電話番号と銀行口座情報を入力するだけで済むという手軽さ。あとはUPIの仕組みによって店舗側の銀行口座とひも付き、ものの1分で登録が完了する。

BharatPeのアプリ

BharatPeのアプリ

売り上げは毎日入金され、資金繰りの厳しい中小店舗にはありがたいサービスとなっている。店舗側の管理機能も充実しており、日次、週次、月次の売り上げ管理から、支払いを済ませたお客様に独自のプッシュ通知を送ることもできる。この機能を使って店頭でのキャンペーン管理も店舗側で自由にできるようになっていて、まさに至れり尽くせり。さらには決済手数料が無料なのである。

では、どうやって稼ぐのかと聞くと、収集したデータを軸とした様々な金融サービスを展開する予定とのこと。昨年8月にスタートしたばかりのサービスだが、既に20万を超える店舗が利用し、1日の取引件数は8万5000件を超えるという。

インドのモバイル決済の次の波頭に乗りつつあるBharatPe社。ちなみにBharatとはヒンディー語で「インド」を表す言葉で、語源は古代インドの伝説の王Bharataに由来する。同社が新しい伝説を生み出していけるのか。楽しみである。

[日経産業新聞2019年2月8日付]

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