2019年2月21日(木)

「こんまり流」に学ぶヒットの芽 「当たり前」が海外で斬新に
奔流eビジネス (アジャイルメディア・ネットワーク取締役 徳力基彦氏)

コラム(ビジネス)
ネット・IT
2019/2/8付
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NIKKEI MJ

「こんまりメソッド」と聞いて、日経MJ読者はピンとくるだろうか。

近藤さんは独自の「こんまりメソッド」が世界で話題となっている=ロイター

近藤さんは独自の「こんまりメソッド」が世界で話題となっている=ロイター

片づけコンサルタントこんまりこと近藤麻理恵さんが推奨している片づけのメソッドだ。

近藤さんについて、日本では2010年に著書がベストセラーになるなど「数年前に話題になっていたな」という印象が強いかもしれない。ところが19年の年明けからネットフリックスで「こんまりメソッド」の番組が配信されるやいなや、米国を中心に社会現象というべき大きな話題を呼び、世界中で注目されているのだ。

その話題の大きさは、2年前に世界的に大きく注目を集めたピコ太郎の「PPAP」を超える勢いといえば、何となくイメージできるだろうか。

ネットフリックスの番組は、もともとは近藤さんの著書が14年に米国でも出版されてベストセラーになったことがきっかけになっているそうだ。

番組の内容は、近藤さんが様々な環境の家庭を訪れ、「こんまりメソッド」を伝授するというもの。米国の地方にある家屋などは、収納スペースも十分あるケースが多い。大きなガレージがあるから、ガラクタに近いものを何でもかんでも山のように積んであるケースも多いようだ。収納が限られた住居に住む日本人であれば、自然と身に付けざるをえない片付けの知恵を持っていない家族が多いのかもしれない。

ここで、企業のマーケティングに携わる方々が参考にすべきなのは、日本においてはある意味「当たり前」の知識だった片づけ法や整理術が、実は海外においては非常に新鮮なものだった、という点だろう。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

日本の大企業においても、日本の市場ではあまり売れなくなっているけれども海外の市場では非常に人気があるという製品がいくつも存在する。

こんまりメソッドの大ブレークが教えてくれるのは、今後そういった日本を飛び越して海外の市場でブレークするというケースが、ますます個人や中小企業でも可能になってくるのではないかという点だ。

今回の近藤さんの大ブレークは、偶然生まれたわけではない。

近藤さんの著書が米国でベストセラーになったことが重要だし、近藤さんが米国への移住を決断したのは、移住前から海外での仕事量が日本の仕事よりも増えている状況だったからだそうだ。

例えば今や日本酒を代表するブランドになった「獺祭」。日本酒の産地としては注目されていなかった山口県の蔵元だった旭酒造が、地元で売るのではなく東京で売るのを目指して開発した。今や世界に日本酒を広めようと取り組みを進めているそうだ。

インターネットの普及により、こうした世界をまたにかけた取り組みは、商社などの一部の大企業の専売特許ではなくなっている。

皆さんが扱っている商品やサービスも、日本人にとっては当たり前でも、海外では意外にそうではないかもしれないのだ。

[日経MJ2019年2月8日付]

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