10億分の1を乗りこえた少年と科学者たち M・ジョンソン、K・ギャラガー著
ゲノム医療への挑戦の記録
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2006年に2歳で発病したアメリカ人のニック君は、原因も治療法もわからない奇病に苦しんでいた。食事をすると腸に穴があき、皮膚から便が出てくる。特に肛門近くにできた穴はひどい状態で、洗浄には全身麻酔で2時間を要する。食べたいのに食べられない。やせ細り、食べたいと感情を爆発させ、スナック菓子の袋を抱えて眠る幼子。付き添う親のつらい心境も計り知れない。
万策尽きた中で、当時はまだ非常に高価で難しかった「...
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