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広い年代取り込むTikTok 「レコメンド」で若者維持

読み解き 今コレ!アプリ フラー最高マーケティング責任者、杉山信弘

NIKKEI MJ

2018年に最も話題となったスマートフォン(スマホ)アプリと言えば、TikTokだ。10代に人気のアプリと思われがちだが、足元では幅広い層のスマホユーザーを取り込み、定番アプリとなりつつある。背景には、従来のSNS(交流サイト)アプリとは異なるコンテンツの提供手法がある。

TikTokは幅広い年代を取り込んでいる

筆者の所属するフラー(千葉県柏市)が運営するアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」で算出したデータによると、同アプリは18年の1年間でアクティブユーザー数を約6倍に増加させた。

特に7月と11月で大きく伸びている。7月と11月に実施したテレビCMなどのキャンペーンが寄与した結果と思われる。

7月では、20~30代の月間利用者数(MAU)が前月比50~70%上昇し、11月は30~50代が同35~40%上昇している。

7月のCMでは、お笑い芸人のくっきーさんと女優の黒木麗奈さんを起用し、TikTokの"おもしろ動画"を紹介するポップなCMだった。一方で11月のCMは打って変わり、女優の上戸彩さん、小芝風花さんが動画を撮る楽しさをアピールするものだった。

キャッチコピーも7月は若者を意識した「アガる思い出つくっとく?」だったが、11月は「思い出の真ん中に。」と幅広い年代に理解されやすい表現に変えている。TikTokで最も多いユーザー層は10代の若者だが、テレビCM効果でユーザーの年齢層を広げたがことがわかる。

「おじさんが集まると、若者が離れていく」という定説はTikTOkにはあてはまらないと言える。幅広いユーザーを獲得しつつも、若者を逃していない秘訣はレコメンドエンジンにあると筆者は考える。

フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNS(交流サイト)は、フィードやタイムラインをフォロー・友達申請といったユーザーの行動を基に形成している。そのため、ユーザーの嗜好や交友関係に合った内容を閲覧できる。

一方でTikTokは通常、ユーザーをおすすめタブに誘導して、アプリ側がお薦めする閲覧コンテンツを提供する。交友範囲が狭くなりがちなユーザーでも、アプリを利用してすぐに幅広い内容のコンテンツを楽しめるようになっている。気に入った動画を評価するたびにレコメンドの精度が上昇していくので、嗜好に合ったコンテンツを視聴する機会も増えていく。レコメンド中心のコンテンツ配信に徹することが、中心ユーザー層である若者にとどまらず、幅広い年齢層の獲得につながっていると言える。

利用者向けコンテンツの次は、クライアントにとっての広告配信の最適化を目指している。

TikTokは9日に広告配信プラットフォームを刷新した。これによってより精緻なターゲティングが可能になるという。

グーグルやフェイスブックなどが中心だったインターネット広告の世界に、TikTokが「全世代向け広告枠」として割って入れるのか、19年も目が離せない。

[日経MJ2019年1月23日付]

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