2019年1月18日(金)

春秋

春秋
2019/1/12付
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いまどきの子どもたちは、正月の雑煮よりも節分の恵方巻きのほうが身近らしい。国立青少年教育振興機構が小3~中3の約3万4千人に、年中行事の体験を聞いた結果である。調査によれば「雑煮」は79%で「豆まきや恵方巻き」が87%。「七草がゆ」は27%だった。

▼豆まきだけならこれほど高い数字にはなるまい。近年みるみる普及した恵方巻きが、節分イベントに大いに寄与していよう。伝統的な七草がゆなど引き離し、雑煮をも上回るその人気なのだ。もともとは関西で生まれ、コンビニがキャンペーンを打って全国区になったのが20年ほど前。平成日本の巨大ヒットといっていい。

▼とはいえ、昨今はアルバイト店員が販売ノルマを課せられたとか、達成できずに自腹で買い取らされたとか、後味の悪い話も聞く。あげくの果ては売れ残り商品の大量廃棄である。きのう農林水産省は需要に見合った販売をするよう業界団体に呼びかけたが、食品ロスの極みのような行いは自発的にやめるのが賢明だろう。

▼余るとわかっているのに作っては捨て、また作る。昨年の節分の夜も、大幅に値引きされてなお売れぬ光景を眺めて悲しくなった。もちろんのり巻きになんの罪もなく、すこし見える断面のうまそうなことよ。丸かじりもいいが、サンドイッチよろしく流行の「萌(も)え断」を楽しめば、食べ物の尊さが身に染みるかもしれぬ。

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