サブリース問題の根は深い

2019/1/10 1:09
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賃貸住宅を巡るトラブルが増えている。建物の所有者から住宅を一括して借り上げて転貸するサブリース契約が特に問題になっている。国土交通省は取引の実態を調査し、事業者に登録を義務付けることを検討し始めた。

サブリースは土地を保有する個人などが建てたアパートなどを、業者が長期間にわたって丸々借り上げる契約方式だ。入居者の募集や建物の維持管理は業者が担い、所有者に対し一定期間の家賃収入を保証する場合が多い。

新築時には入居者を確保できても、時間がたてば空室が増えることは少なくない。約束していたはずの家賃収入を業者が大幅に減額したり、契約を解除したりしてトラブルになる事例が目立つ。

この方式でシェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営していた不動産会社が昨年4月に破綻し、社会問題にもなった。賃料が入らなくなって、借金の返済に窮する所有者もいるという。

この事例でスルガ銀行の不正融資が発覚したように金融機関が関与する場合もある。まずは実態をしっかり把握する必要がある。

国交省は2011年に賃貸住宅の管理業者を登録する制度を設けたが、登録は任意だ。全国に約3万いる管理業者のうち、登録済みは約4000にとどまる。

サブリースでは、将来的に家賃収入が変わる可能性がある点を契約前に所有者に説明することが欠かせない。登録を義務化し監視を強めるのは一案だろう。

問題の背景には、15年の相続税増税を受けて節税対策としてアパート経営に乗り出す人が増えたことがある。13年時点で全国に820万戸ある空き家のうち、半分強は賃貸用の住宅だ。そこに新規物件が大量供給されれば、入居率が低下するのは当然だ。

周辺の他の住宅は空室が目立つのに、自分の物件だけは大丈夫、と考える方がおかしい。賃貸住宅の管理業の適正化を進めると同時に、所有者も相応のリスクがある点を改めて認識すべきだろう。

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