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奇岩の林、聖なる祈りの場 大石林山(沖縄県国頭村)

おもてなし 魅せどころ

NIKKEI MJ

やんばる国立公園内の観光施設、大石林山は沖縄本島最北端の辺戸岬のすぐ近くにある。2億5千万年前の石灰岩が浸食されてできた熱帯カルスト地形が特徴で奇岩や巨石、亜熱帯の森、雄大なパノラマを楽しめる。一帯の山々には霊的能力を持つとされる者の祈りの場が60カ所ほど存在。聖なる地としても知られる。

奇岩や巨石が林立する山を散策できる

「わーすごい」。バスが散策のスタート地点に着くと、観光客のびっくりする声が上がった。切り立つ奇岩や塔のようにそびえる岩が林立している。

ここから2つのコースに向かう。祈りをささげる人が通ってできた道を利用し整備したものだ。600メートルのバリアフリーエリアは「高齢者や車椅子の人にも見てもらうため、2002年にオープンした後、真っ先につくった」(施設を運営する南都〈那覇市〉の喜瀬慎次事業所長)という。

「奇岩・美ら海パノラマコース」は石の林を縫って歩く。途中で辺戸岬や遠く鹿児島県の与論島を見渡せる展望台を通る。「やんばる森林コース」は巨大なガジュマルや6万本のソテツ群落など、亜熱帯特有の樹木や植物が見どころだ。

特徴のある岩には名前が付いている。悟空、烏帽子、守り猫、悪魔……。すぐ分かるものもあれば、じっくり観察して「なるほど」とうなずくものも。ライオンキング、宇宙人など、観光で来た子供たちが名付け親になった岩もある。

入場者は年間約8万人。景観を楽しむ人が4割、聖地として来る人が6割という。聖地目的ではリピーターが多い。インターネットで海外に紹介され2年前から外国人観光客が急増、それまでは全体の約5%だったが、22~23%になった。沖縄は2度目という韓国人男性(32)は「ブログで知って自然を楽しみに来た。とても素晴らしい」。

4月にはチケット売り場に新たな施設をオープン。沖縄石の文化博物館では県内各地から集めた岩石標本や石製民具などを展示。食堂の看板メニューは、地元で採れる薬草を使ったサラダバーや、大鍋で作る豚肉のアグー汁だ。

大石林山の難点は那覇から車で2時間かかること。遠いうえ、山や森の中を歩くため天気が悪いと観光コースから外されてしまう。対策として「聖地、祈りの山をもっと打ち出していきたい」と喜瀬事業所長。ゆっくりお祈りしたり、休んで英気を養えたりする場所をつくっていくという。

(那覇支局長 唐沢清)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2018年12月24日付]

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