出会い、合コンよりアプリ ネット駆使、身元リサーチ - 日本経済新聞
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出会い、合コンよりアプリ ネット駆使、身元リサーチ

ミレニアルスタイル

クリスマスを目前に20代半ばの知人女性が「彼氏欲しいなあ」とスマートフォン(スマホ)を見ながらつぶやいている。「出会いはどこにあるの」と尋ねると、返ってきた答えは「アプリが確実ですね」。

男女の出会いが変化している。スマホで出会いを提供する「マッチングアプリ」が一気に増え、ミレニアルズから「最も効率的で確実な出会い方」と認識されるようになってきた。かつてネット上の出会いには、負のイメージが強かった。出会い系サイトが、援助交際など犯罪の温床になってきたからだ。

風向きが変わったのは2010年代に入ってから。12年に提供されたマッチングサイト「Pairs(ペアーズ)」を使って彼氏を作った女性の声を耳にするようになった。

なぜミレニアルズに受け入れられたのか。「フェイスブック」と連携した点にあったようだ。実名登録が前提なのでプロフィルや投稿を確認できるため、出会い系サイトの問題点だった「誰が使っているか分からない」不安を払拭できた。

とはいえ、ペアーズの利用を隠す女性が多かった。状況が変わったのは数年後に米国発のマッチングアプリ「Tinder(ティンダー)」が日本でも話題になってから。画面いっぱいに表示される顔写真と年齢、職業を見て判断するのが特徴で、操作性の良さとビジュアル重視のカジュアルな感覚が「楽しい」とミレニアルズに受けた。

このほか「ゼクシィ恋結び」や、趣味を切り口にした「タップル誕生」など類似の婚活・恋活アプリが次々に登場した。ユーザーが結婚に至るケースも増え、アプリにポジティブなイメージが浸透していった。

ネオマーケティングが7月、20~30代の未婚男女664人に実施した調査によるとマッチングアプリの利用経験のある20代女性は27.5%。ネット上での出会いの普及を「良いと思う」20代女性は37.4%にのぼる。ペアーズで結婚相手を見つけた20代後半の女性は「効率的にベストな相手と出会える今風のお見合い」と周りに勧める。

「ネットの出会いは危険じゃないの」と心配すると、「変な人かはプロフィル欄や写真で見抜ける」と一蹴された。日ごろからSNS(交流サイト)を駆使するミレニアルズには暗黙のコードがあり、ずれている人をかぎ分ける嗅覚が鋭い。

証明写真のような写真しかない、妙に自己紹介が長いなどは要注意。必要に応じて「インスタグラム」などを確認して、嘘を見破るという。彼らに言わせれば、「危険度合いは現実もネットも同じ」というわけだ。

マッチングアプリには利用者の好みを学習し、合いそうな相手を薦める機能も付いており、「友達に合コンを頼むより、精度が高い」とか。洋服でも音楽でもスマホで調べ、スマホで買うミレニアルズ。デジタルへの信頼感と自信が、彼らをアプリでの出会いに向かわせている。

(ブームプランニング社長 中村泰子)

[日経MJ2018年12月21日付]

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