2019年2月24日(日)

創業チームにシニアを
新風シリコンバレー コア・ベンチャーズ・グループジェネラルパートナー ジョアナ・ドレイク氏

コラム(ビジネス)
2018/12/18付
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莫大な資金がシリコンバレーだけでなく世界中の技術革新拠点に集まりつつある。しかし起業の75%以上は失敗に終わり、資本の3倍の利益をもたらすのは5%未満だ。スタートアップをゼロから成功に導いた経験と、30社以上の起業家と連携しているコア・ベンチャーズ・グループは初期のスタートアップが成功する条件を実際のデータに基づいて見ている。

ジョアナ・ドレイク Current TVなどのメディア関連企業の幹部やDeNA WESTの最高執行責任者を経て、コア・ベンチャーズ・グループのジェネラルパートナー。スタンフォード大修士、カリフォルニア大バークレー校卒。

ジョアナ・ドレイク Current TVなどのメディア関連企業の幹部やDeNA WESTの最高執行責任者を経て、コア・ベンチャーズ・グループのジェネラルパートナー。スタンフォード大修士、カリフォルニア大バークレー校卒。

1人は成功した会社の経営陣にいたシニアリーダーが創業チームにいる必要がある。健全な企業文化や会社の構築で重要な局面を経験しているので組織の構築、製品や市場での成果、資金調達のサイクルに関する適切な順序を心得ている。チームの全員が大企業の背景を持っていると職務上のプロセスやサービス、インフラには精通しているものの、これらの軸がどう形成されるかを理解しておらず必要な資金を過大または過小評価することもある。

投資会社連合の質は創業者の力量の二の次。連続起業に成功した経験があり、高い利益をもたらしている起業家だけがトップクラスの投資会社の条件概要書をえり好みできる。私たちは起業家が個人投資家や投資会社の文化を精査することなく資金を素早く手に入れることにしばしば不安を感じている。

自らの短期的なニーズに基づいてスタートアップの意思決定に影響を与える投資会社も目にする。起業家は候補となっている投資会社が過去に投資した起業家に聞き取り調査をし、戦略や経営にどれほど関わったか、具体的にどのような価値を付与したか、さらに他の投資会社との姿勢の違いや役員会での振る舞いを知るようにすべきだ。

最初はバランスの取れた技術・ビジネスチームを形成すべきだ。筆者はシリコンバレーの文化がカルフォルニア工科大学、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学で博士号を取得した起業家に偏重してもてはやされる傾向があると感じている。技術面では優れた専門性があってもビジネスのリーダーシップで同等の力を持つ人材が不足していると立ち上げ期を過ぎるまで不均衡が続き、予期せぬ逆風にも気づかないことがある。

経営計画を確実に執行する人材が運営のコアチームを編成していることが望ましい。創業後はしばらく簡単な業務リストを作って優先事項に取り組む。具体的には製品の定義付けや試作、市場調査、会社設立の書類、資金調達、創業チームの人材採用だ。

当社は通常、創業期に100万~200万ドルを調達してから1年以内に業務リストから戦略的な執行モードに移るように促している。12~24カ月の戦略的な目標を定義し、主要な収益の前提や必要な資源を明確にする。それから根底となる財務モデルを構築し、予想に対する実績を定期的に報告できるようにする。創業期にこの規律を定着させた起業家チームは市場の前提の誤りを見つけて訂正し、資源をよりよく管理して財務上のニーズを予期し、事実に基づいた意思決定をする文化を作り上げられる。

[日経産業新聞2018年12月18日付]

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