2019年6月16日(日)

持続可能な買い物、楽天ECサイトで 真面目さ・楽しさ伝わる
奔流eビジネス (通販コンサルタント 村山らむね氏)

コラム(ビジネス)
2018/12/14付
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NIKKEI MJ

2018年は気候変動の影響か、大きな災害の多い年だった。考えてみると、自然災害が増えているような気がする。消費者も「このままではだめだ」と思いつつ、どのように生活を変えていけばいいのか、その一歩が踏み出せずにいるのではないだろうか。

楽天のアースモールでは、認証を取得した様々な商品を取り扱う

楽天のアースモールでは、認証を取得した様々な商品を取り扱う

国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGs)。17の目標のなかにある「つくる責任、つかう責任」は、消費者の行動様式として考えなければならない身近な目標である。

先日オープンした楽天の電子商取引(EC)サイト「EARTH MALL with Rakuten」(アースモール・ウィズ・楽天)は、持続可能な買い物に真剣に取り組む、非常に大きな第一歩だろう。発表会で感銘を受け、責任者である楽天サステナビリティ推進部マネージャーの真々部貴之さんに話を聞いてきた。

楽天市場の2億5000万商品の中から、認証機関から認証を得ている商品を中心に約7000商品が販売されている。国際認証を取得した「明らかに環境にいいもの」のほか、廃棄野菜を原料にした「おやさいクレヨン」のように、楽天独自の基準で販売している商品もある。

「サステナブルな買い物をあたりまえに」をモットーにしたアースモールは、慶應義塾大学院政策・メディア研究科の蟹江憲史教授がアドバイザーとなり、一般社団法人エシカル協会の末吉里花代表理事などが多様な知見を持つキュレーターとして参加している。

このアースモールの詳細を聞いて実は2つの思いがある。まずはECに携わる者としての、猛烈なジェラシー。「こういうこと、やりたかった!やられた!」という思いだ。ヤフーの宮坂学会長もツイッターで称賛の意をいち早く表した。こうした反応を示したECや流通関係者は少なくなかったようで、真々部氏は、「アースモールに反応してくれた企業などをライバルとして捉えるのではなく、ぜひ共創していきたい」と述べていた。

楽天というIT(情報技術)企業の草分け的存在が、このような青臭いことに真剣に取り組んでいるのは、誇らしくも頼もしくもある。

むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

もう一つは、消費者としては困惑。あまりにまっとうで真っすぐすぎて、すばらしいなと思いつつも、ちょっと素晴らしすぎて持続的な購入にどうつなげていいのか戸惑う。発表会の参加者の一人が言っていたように、ギフトでの購入が取り入れやすいかもしれない。「誰かに話したくなる買い物」「誰かにストーリーを知ってもらいたい」。ギフトのコミュニケーションツールとしての価値を最大化するだろう。まずは楽しく買い物できることが伝わることが重要で、ウェブからは真面目さと同じくらいに楽しさも伝わってきている。

一人の消費者としては「綺麗事を、他人事にせず、自分ゴトにする」。そのきっかけとして、アースモールと最大限に付き合いたい。誰かに褒められる買い物、ちょっと気分のいい買い物。そこから小さく始めて見るのもいいかもしれない。楽天のような大きな企業が踏み出した、一歩。まずは、拍手喝采を送りたい。

[日経MJ2018年12月14日付]

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