2019年2月24日(日)

国民投票は静かな環境で

2018/12/11 23:10
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憲法改正のための国民投票の際のテレビ広告をどう扱うべきか。簡単に決められない問題だ。言論の自由を封じることがあってはならないが、特定の政治勢力に有利になるのも好ましくない。重要なのは、有権者が落ち着いて熟慮できる環境をつくることだ。

国民投票法は投票日の2週間前からテレビ広告を禁じている。いま議論になっているのは、その前の期間をどうするかだ。

放映が無規制だった場合、資金力に勝る保守派が改憲を推奨するCMを大量に流し、有権者の判断に大きな影響を及ぼすのではないか。立憲民主党など野党はそうした懸念を抱いている。

衆院憲法審査会に出席した日本民間放送連盟の専務理事は自主規制の実施に否定的な見解を表明した。どういうもの言いをすれば推奨にあたるのか、など判断が難しいことは理解できる。

だからといって、この問題を放置しておいてよいとも思えない。憲法論議が中身をめぐる対立によってではなく、手続き論で膠着状態に陥るのは残念である。

民放連が自主規制をするのかどうか。問題の本質はそこにあるのだろうか。そもそも集中豪雨的にテレビ広告を流そうという発想が自民党になければ、野党も身構える必要はなくなる。

安倍晋三首相にしても「改憲をカネで買おうとしている」といった批判を被るのは本意ではなかろう。過去の衆院選を上回るテレビ広告は考えていない。自民党がそう公約すればすむ話だ。

改憲が発議されると国会に国民投票広報協議会を設けることになっている。だが、その具体的な運営方法はまだ決まっていない。改憲に重きを置いたキャンペーン機関になると思われれば、護憲派はいままで以上に発議の阻止に注力することになろう。

国民投票はどういうものなのか。有権者にはわからないことがまだまだたくさんある。先々のルールを話し合うところから、憲法審査会を正常化させたい。

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