2018年12月13日(木)

春秋

春秋
2018/12/8付
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「ここで洗濯ができます」「生活用品は○時○分から配ります」。こうした79の例文が、中国語、タガログ語、ポルトガル語、ベトナム語などざっと10の言語に翻訳されている。災害時に外国人が避難所生活で困らないようにと、浜松国際交流協会がまとめた対訳集だ。

▼日本に住む外国人の支援は災害対策も柱の一つになる。一昨年4月の熊本地震では、言葉がわからず避難所を去った人もいた。「虎の巻」があれば心強い。同協会は浜松市と組んで、地域の自治会役員らに避難所運営の研修会も開いている。外国人家族の配置や通路の設け方などを机上でシミュレーションする訓練もある。

▼貴重なのは外国人自身の声だ。「避難所に外国人だけを集めたスペースはつくらないでほしい」。日本人と分けられると情報が入りにくいからだ。各地にできる避難所の場所を教えるには地図に目印として、教会や派遣会社など外国人がよく知っている建物を載せた方がいいこともわかった。一つ一つのノウハウが財産だ。

▼製造業が集まり日系ブラジル人らの就労が進んできた浜松でも、外国人が暮らしやすい環境づくりは改善が続く。これから本格的に受け入れていく地域にとっては、いくつもハードルがあるだろう。政府が外国人労働者の受け入れ拡大にカジを切った。国として地域をどのように支えていくのか、まだ見えないのが心配だ。

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