2019年3月27日(水)

4K8K放送をどう生かす

2018/12/4 22:56
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NHKや民放などが高精細な映像を送信できる新たな4K8K放送を始めた。2003年の地上デジタル放送の開始に次ぐテレビの技術革新だが、映像コンテンツを取り巻く環境は当時とは大きく異なる。時代に即した新技術の普及策が必要だ。

4Kは画面を構成する画素の数が従来のハイビジョンの4倍、8Kでは16倍になる。画素が多いほど映像がきめ細かくなり、臨場感が高まる。4Kの普及により、放送機器やコンテンツ制作といった映像に関連する産業の国際競争力を向上させる道も開ける。

政府は20年に50%程度の世帯普及率を目指しているものの、視聴者の間で認知度や関心が十分に高まっているとは言い難い。地デジへの移行とは違って従来の放送を継続し、新たな放送に対応する機器や番組もまだ少ないためだ。

関連する企業や団体は認知度を高め、4Kならではのコンテンツやサービスの開発を急ぐ必要がある。視聴者をひき付けるコンテンツの拡充が普及への近道だ。

魅力的なコンテンツをつくるには健全な競争が要る。

NHKは新たな放送の開始によりテレビのチャンネルが6つに増えるが、事業が野放図に広がると競争環境がゆがみかねない。一部のチャンネルの返還などで事業を必要最小限に絞り込み、視聴者の負担を軽くすべきだ。

一方、テレビのみで映像の新技術を普及させるのは難しくなっている事情もある。スマートフォンが急速に広がり、映像コンテンツの視聴にテレビ以外の機器を使う機会が増えているためだ。4Kも20年ごろから実用化する次世代の高速無線通信サービスなどを活用した普及策が不可欠だ。

幅広い産業に活用するという視点も必要だ。高精細な映像を高速通信と組み合わせ、遠隔医療や公共施設の警備、農業などに応用する検討が進んでいる。4K放送を普及させて半導体など関連部品の量産効果を高め、利便性や生産性の向上につなげたい。

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