春秋

2018/12/2 1:16
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暖冬の予想という。北国では初雪の便りが記録的に遅かった。11月末までに吹く強い北よりの風をいう「木枯らし1号」も東京ではないままである。この季節特有の西高東低の気圧配置が緩んでいるらしい。身を縮めずにすむのは助かるが、経済への影響はどうだろう。

▼防寒衣料や暖房器具、鍋料理の食材などは寒さが需要を促す。灯油も北海道や東北地方から「冷え込みが遅く、消費が立ち上がらない」といった業者の声が聞こえてきた。ここ数日の降雪や低温で回復はしただろうか。この暖冬、1万5千キロ離れた南米で起きた海水温の上昇、エルニーニョ現象の巡りめぐった働きという。

▼海水や大気の循環は、グローバルになれば思わぬ変化を起こす。モノの動きも同じだろう。国際ニュースを眺めていたら、米ゼネラル・モーターズ(GM)が、北米5工場での生産を来年をメドに停止する、とあった。トランプ政権の高関税の輸入政策で鉄鋼やアルミニウムなど原材料費が高騰しているためなのだという。

▼国の祖業ともいえるビジネスを守ろうとしての思わぬ余波に大統領も怒りが収まらない様子だ。中国では米国産大豆への高関税で、エサとする豚の肉が値上がりだしているという。雇用に暮らしに寒風が吹き込む。折から集った米中はじめとしたG20の面々。貿易戦争という気圧配置を笑顔と握手で少し緩められたろうか。

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