2019年3月22日(金)

外国人労働の論点はなお多い

2018/11/28 23:08
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外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案が衆院を通過した。野党は受け入れ数の上限や在留管理の体制が不明確だと指摘し、強引な国会運営に反発している。政府・与党は参院での審議を通じ、様々な懸念に丁寧に答えていく姿勢が必要だ。

27日の衆院法務委員会で、与党は主な野党の反対を押し切って同法案を採決。その後の衆院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決した。

同法案は一定の技能と日本語力を条件に、新たな在留資格「特定技能1号」と「同2号」を設けるのが柱だ。与党と維新は衆院採決に先立ち、法施行後の見直し時期を「3年後」から「2年後」に短縮する修正で合意した。

山下貴司法相は当初、新たな外国人の受け入れについて「数値として上限を設けることは考えていない」と述べた。衆院の審議入り後に5年間の累計で最大34万人という目安を明らかにしたが、詳細は法成立後に示す分野別の運用方針に明記する。外国人の生活支援や日本語教育といった環境整備策は年内にまとめる方針だ。

外国人の単純労働の受け入れは、日本社会のあり方を変える政策転換となる。にもかかわらず政府の説明は後手に回り、衆院で17時間あまりの審議で採決に踏み切ったのは問題である。

野党はこれまでの審議で、現行の技能実習制度の問題点の追及に多くの時間を割いた。一方で建設や介護、建設、農業、流通分野などの深刻な人手不足に、今後どう対処していくべきかという本質的な議論は深まっていない。

欧州では外国人労働者を多く受け入れた後に、不況に直面して社会不安が増大したケースも多くみられた。諸外国の教訓に学び、最良の制度として導入する責任が与野党双方にある。

国民民主党は産業別や地域別に受け入れの上限を定める方法を提案している。技能実習制度の抜本的な見直しも含め、幅広い論点について審議を尽くすべきだ。

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