2019年5月26日(日)

医学部の入試指針を順守せよ

2018/11/20 23:19
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大学の医学部の一般入試で、受験生の性別や浪人年数などにより不利な合否判定をすることを全面的に禁じることが決まった。来春の入試から実施する。

国公私立の医学部、付属病院で組織する「全国医学部長病院長会議」が一連の不正入試を受け、公平な選抜の指針を公表した。

将来の勤務医としての使い勝手のよさを優先し、女子受験生らを差別していた慣行を改める。

肝心なのは各大学が指針順守に向け、どのような具体策を実行するかだ。合否判定の妥当性を監視する内部の仕組みや、合格者の男女比、平均点などの試験結果の情報開示に取り組む必要がある。不断の検証を求めたい。

今回の指針で気になるのは、医学部卒業生の子どもの入学枠を容認した点だ。同会議は「親が卒業生なら愛校心や、医師になる意欲が強い」などと説明した。

教育の機会均等を定める教育基本法は「社会的身分または門地によって教育上、差別されない」と定める。しかし、この特別枠は、医師の子に生まれたという属性で優遇される制度だ。

医師の養成には多額の公費が投じられ、定員も限られる。他学部に比べ公共性が高いといえる。私大の自治との兼ね合いもあるが、子弟枠の妥当性をめぐり、社会の評価は分かれよう。今後、さらに議論を深める必要がある。

文部科学省は今回の指針に照らし、各大学が過去の入試で不適切な合否判定がなかったかを自主的に公表することを求めている。医学部の一般入試の出願は12月1日に始まる。不正があった大学はそれまでに実態を検証し、得点操作がなければ合格していた受験生の人数や、救済策とセットで明らかにする責任がある。

不正が発覚した東京医科大は、追加合格者を出した結果、来春の一般入試の募集定員が減少する見通しだ。志願倍率が上がり、合格が難しくなることを意味する。こうした情報を一刻も早く受験生に周知してほしい。

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