南シナ海問題で連携深めよ

2018/11/17 20:44
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中国が南シナ海で大々的な人工島の造成を始めて5年あまり。飛行場やレーダーの建設など軍事拠点化が着々と進んでいる。米国や日本は反発を強めるが、東南アジア諸国の腰が定まらないこともあり打開の道筋は見えてこない。

シンガポールで15日に開かれた東アジア首脳会議では、米国のマイク・ペンス副大統領と中国の李克強首相が激しい応酬を交わした。貿易問題とならんで焦点となったのが、南シナ海の問題だ。

立場の違いが縮まらないまま対立が深まっている印象である。とりわけ気がかりなのは、米中対立がことばのやりとりにおさまらずエスカレートしていることだ。

中国をけん制するため米軍は南シナ海で「航行の自由」と呼ばれる作戦を展開してきた。ことしは英軍の艦艇やフランス軍の艦艇も作戦に加わった。これに対し中国軍も反発を強めている。

9月には、中国海軍の駆逐艦が米海軍の駆逐艦に異常接近する事態が起きた。偶発的な軍事衝突のリスクが目に見えたといえる。周辺国の間で懸念が浮上するのは当然ではあろう。

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はシンガポールで記者団に、南シナ海がすでに「中国の手の中にある」と指摘し、米中間の軍事衝突に巻き込まれることが心配だ、と表明した。

こうした情勢のなか李首相は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と進めてきた「南シナ海の行動規範」づくりを「3年以内」に終えよう、と呼びかけた。平和的な問題解決への意欲を示したと受けとめることはできるが、一方で自らに有利な態勢を築こうとする思惑もうかがえる。

安倍晋三首相は東アジア首脳会議で「非軍事化に背く動き」を非難し、中国をけん制した。日本にとっては、軍事的な緊張の高まりを抑えながら、南シナ海を中国の内海にさせないことが大切だ。

米国や豪州、英仏などとの連携を深め、ASEAN諸国への働きかけを強めなくてはならない。

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