2019年4月24日(水)

社会不安招かぬ外国人政策へ議論深めよ

2018/11/12 23:09
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外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案が、13日の衆院本会議で審議入りする。日本の成長基盤づくりにつながる重要法案だが、問題は社会不安を防ぐ手立てを含めた新しい制度の全体像がみえないことだ。明確な説明を政府に求めたい。

介護、建設、農業など14業種が対象の「特定技能1号」、熟練者を想定した「同2号」の新たな在留資格について、取得するための能力基準は曖昧なままだ。家族の帯同と長期滞在を認める2号の対象業種と併せ、はっきり示さなければ議論は深まらない。

政府は人手不足の状況に応じ、業種ごとに外国人労働者の受け入れの停止を判断するとしている。肝心なのは、何を根拠に判定するかだ。日本人の雇用への悪影響を防ぐため、外国人の受け入れの調節は重要になる。具体的な方法を政府は明示すべきだ。

先進国では外国人労働者の受け入れにあたり、一定期間求人を出して国内では充足されないことを確認する、といった労働市場テストが普及している。こうした仕組みを取り入れるべきだろう。

問われているのは、社会に混乱を起こさず外国人の受け入れを広げる、責任ある政策である。

低賃金で外国人労働者を雇う企業が増えれば、国内労働者の待遇も悪化しかねないとの指摘がある。低賃金の労働力に頼って生産性向上が遅れるのを放置しないためにも、外国人の労働条件の監視を強める必要がある。

とりわけ国会審議に求められるのは、外国人が日本で支障なく生活するための環境整備の議論だ。今回の法案が従来のようなその場しのぎの受け入れ策ではなく、正面から外国人労働者を迎え入れるためのものであるなら、生活支援はより重要になる。

日本語学習や住宅の確保、子どもの就学などの支援策に関して、議論を尽くす必要がある。

社会保障をめぐっては、外国人が母国にいる家族を健康保険の被扶養者にし、家族が母国で使った医療費を日本の健保に請求する悪質事例もある。厚生労働省は扶養家族に日本国内の居住という要件を設ける検討をしている。こうした社会保障制度の持続性を考えての見直しは妥当だろう。

違法残業などが後を絶たない技能実習制度をこのまま続けることには問題がある。抜本的な見直し作業も並行して進めるべきだ。

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