2019年2月20日(水)

足りぬ国際化への準備
SmartTimes インディゴブルー会長 柴田励司氏

コラム(ビジネス)
2018/11/9付
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「The Third Way Forum」というコミュニティーを立ち上げた。対象は日本企業に勤める外国人だ。外国人社員に対して「日本企業になじめ」というのではない。日本企業に「外国人に合わせろ」というのでもない。第三の道を共に模索しようという願いを込めてThe Third Wayと名づけた。立ち上げのパーティーには約50名、23カ国の外国人が参集した。

1985年上智大文卒。マーサ-ジャパン社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブの最高執行責任者(COO)などを経て、2010年インディゴブルー社長、15年から会長。

1985年上智大文卒。マーサ-ジャパン社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブの最高執行責任者(COO)などを経て、2010年インディゴブルー社長、15年から会長。

グローバル化の推進を意図して、日本企業で働く外国人社員が増えている。これは良い傾向だ。ところが、その多くの人たちが十分に活用されているとは言い難い。不満分子となるか、早晩辞めていく傾向にある。たいへん残念。かつもったいない。

この傾向は昔から変わらない。これ以上問題を放置しておくと、日本企業に優秀な海外人材が集まらなくなる。人が集まらないところに成長はなく、経済も発展しない。

なぜいつまでも日本企業はグローバル化できないのか。根本的な理由は日本人にグローバル化のための「レディネス」がないからだと思う。レディネスとは心理学用語の一つで、何かを習得・学習する際、それに必要な条件や環境が学習者側に整っている状態のこと。日常的に「異」との共存の経験がない。幼少時から「異」と遊んだり、学んだりした経験値の絶対時間の蓄積が少ない。これらが影響していると思う。

最近、飲食店やコンビニエンスストアで働く外国人を多く目にする。日本語も堪能だ。彼ら彼女らの中には、将来日本でビジネスマンとして活躍することを希望する人がいるだろう。ただし、その「架け橋」がない。このままだとただの労働力で終わってしまう。彼ら彼女らを使い倒してはいけない。

なんとかしたい。この思いがThe Third Way Forum立ち上げの原点だ。

まずは、日本企業に勤める外国人たちの不満を解消したい。社内ではマイノリティーのため意見が採択されにくい(面倒くさいと思われている)外国人社員たちの声に耳を傾け、企業努力で改善できること、日本全体で考えるべきことを整理し、具体的な提言を発表していく。

外国人ということでビジネスマンとしての研修機会が少ないので、そうした場を提供していく。将来は、このコミュニティーが組織のグローバル化を意図する日本企業にとっての疑似体験の場にしたい。

外国人が普通に働く場として日本を選ぶ。そんな国にならないと日本の10年後はおぼつかない。こうしたことは政策主導では実現しにくい。まずは誰かが動き、小さくともかたちをつくる。私を含めThe Third Way Forumの運営事務局はその誰かの一人だ。政策側にはそれを支援していただきたい。

[日経産業新聞2018年11月9日付]

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