2018年12月17日(月)

楽天・KDDI提携への注文

2018/11/6 23:00
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2019年秋に携帯通信事業を始める楽天が、KDDIと提携すると発表した。自前の通信網を津々浦々に張り巡らすには相当の時間と投資が必要なため、26年3月末までの時限措置として、東名阪の三大都市圏以外はKDDIの通信網に相乗りし、全国を網羅する体制を整えるという。

前向きに評価できる面はある。「第4のキャリア」に名乗りを上げ、今春には国から周波数の割り当ても受けた楽天だが、NTTドコモなど大手3社と競うには企業体力の点で見劣りする。

KDDIのネットワークを利用すれば当面の設備投資負担を軽くでき、19年10月に予定するサービスの開始も順調に進められると期待できる。

携帯の市場については、大手3社による寡占とそれにともなう料金の高止まりが指摘されてきた。形はどうあれ4番目のプレーヤーの参入で競争が活性化すれば、消費者のメリットは大きい。

一方で懸念もある。KDDIのネットワークに依存することで、楽天は料金やサービスの面で攻勢をかけにくくなるのではないか。それを避けるには、自前の通信網づくりを急ぐ必要がある。

全国をカバーするネットワークづくりは周波数割り当ての前提条件でもある。楽天にはできるだけ早い独り立ちを求めたい。

両社の提携には、楽天の持つ物流設備や決済機能をKDDIに開放し、ネット通販などのKDDIの新規ビジネスを楽天が支援する、という項目もある。

この項目そのものに問題はないが、結果としてKDDIが通信網を貸し出す際に楽天を優遇するようだと、困る。他の仮想移動体通信事業者と比べて設備使用料などに差をつけることは、公正競争の観点から許されない。

「料金が高い」「プランが複雑で分かりにくい」など、携帯会社に対する世間の風当たりは強い。楽天の新規参入が事態を打開する突破口にならないようでは、失望を招く結果となろう。

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