2018年11月13日(火)

日印経済関係の潜在力発揮を

社説
2018/11/1付
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インドのモディ首相が来日して安倍晋三首相と会談し、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の開催などで合意した。中国の海洋進出などをにらんで日印が外交・安全保障の面で着実に協力を深めているのは、評価できる。

一方で、両国は経済関係の潜在力を十分に発揮しているとはいいがたい。企業の投資を活発にし貿易を拡大するため、一層の知恵を絞る必要がある。

日印間では首脳が1年ごとに往来する慣例が定着し、モディ首相の来日はその一環。日本の首相として7年ぶりの公式訪中から帰国したばかりの安倍首相は、山梨県の別荘でモディ首相をもてなし親密ぶりを演出してみせた。

政治関係の深まりにくわえ具体的な防衛協力も進んでいる。海上自衛隊とインド海軍は2012年からたびたび共同訓練を実施し、共同訓練を円滑にするための物品役務相互提供協定(ACSA)の交渉も両当局間で始まった。

これに対し経済関係はいまひとつ盛り上がりを欠いている。17年の日印貿易額は約142億ドルで前年比10%ほど増えたが、なお13年の水準に及ばない。日中貿易に比べ20分の1程度、中印貿易と比べると5分の1以下の規模だ。

とりわけインドから日本への輸出の伸び悩みが目立つ。投資環境を懸念してインド向け投資に二の足を踏む日本企業が少なくない。アジアで第2、第3の経済規模をもつ2国間の経済関係としては物足りないのが実情である。

モディ首相は14年に就任する前から「メーク・イン・インディア」を提唱し、日本企業の投資に強い期待を表明してきた。日本政府も協力を約束してきた。求められるのは、企業の投資意欲を引き出すための具体的な政策だろう。

両首脳は今回、デジタル分野での協力推進や通貨交換協定の再開、両国間の特許審査の迅速化などで合意した。協力の幅を広げるのと並行して、インドの投資環境改善へ民間企業も交えて知恵を出し合う取り組みを強化すべきだ。

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