2019年1月17日(木)

障害者が働きやすい職場に

2018/10/23 23:01
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中央省庁による障害者雇用の水増し問題で、国の検証委員会が調査結果を公表した。昨年6月1日時点で国の33の行政機関のうち28機関が、障害者手帳を持たない職員や退職者などを障害者として不正に計上していた。その数は計3700人にのぼる。

国の機関は率先して障害のある人を雇用すべき立場にあり、水増しは国民への背信行為だ。障害者の自立を支援する政策への信頼も損なわれた。各省庁は、相当の自覚をもって意識改革に取り組まねばならない。

眼鏡をかけた状態などの矯正視力ではなく、裸眼の視力で視覚障害かどうかを判断するというように、恣意的な慣行が長年引き継がれてきたと検証委は認定した。

問題の根っこには、障害の有無にかかわらず誰もが働く機会を持てる社会をつくる、という意識の欠如があるといえる。

政府は今後、国に課された障害者雇用率2.5%の達成に約4千人の新規採用が必要とみて、障害者を対象に常勤職員の選考試験を実施する。非常勤職員として採用後、常勤に移れる制度も設ける。

だが問われるのは、障害のある人が働きやすく、定着できる職場をいかにつくるかだ。

障害の種類や程度は一人ひとり異なる。丁寧に職場環境を整えていく必要がある。

まず求められるのは、不安やストレスを減らす工夫だ。業務の流れや、どのチームがどんな仕事を受け持っているかといった進捗状況を職場に掲示する手があるだろう。短時間勤務や在宅勤務の制度も取り入れたい。

これまでの障害者雇用は身体障害者が中心になっており、精神障害の人の雇用にも努めるべきだ。睡眠やメンタル面の状態などを、管理者が日ごろから把握する仕組みが要るだろう。

重要なのは障害のある人の身になって、受け入れ環境を考えることだ。やはり雇用数の水増しがみられた自治体も、民間企業も、その姿勢が欠かせない。

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