2019年7月24日(水)

山火事で再エネ転換加速
新風シリコンバレー 米インタートラストテクノロジーズマネジャー フィル・キーズ氏

コラム(ビジネス)
2018/10/23付
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2018年の夏から、カリフォルニア州で大規模な山火事が相次ぎ発生している。シリコンバレーでは山火事からの煙が流れて日光が茶色に変わった時もあった。報道によると、サンフランシスコ市内の大気汚染は北京の3倍ぐらいひどい日があったという。しかし、山火事はカリフォルニア州政府の方針に影響し、シリコンバレーの企業にビジネスチャンスを提供する可能性もある。

カリフォルニア大学バークレー校在学中に交換留学で来日。日本のIT(情報技術)産業にも詳しく、技術誌やウェブサイトなどでジャーナリストとして活動。日本での勤務経験もある。

カリフォルニア大学バークレー校在学中に交換留学で来日。日本のIT(情報技術)産業にも詳しく、技術誌やウェブサイトなどでジャーナリストとして活動。日本での勤務経験もある。

17年にカリフォルニア州の歴史で最大規模の山火事があったのに、その記録を超えた山火事が発生した。州政府によると18年に発生した2つの大きな山火事が8800軒の住宅、329軒の店舗やビジネスビル、800以上の自動車やトラックなどの私有財産を破壊もしくは侵害した。

別の山火事では、カリフォルニア州とオレゴン州をつなぐ重要な高速道路が5日間通行止めとなった。州政府は18年9月初めまでに、山火事の消防活動に4億3200万ドル(約484億円)を消費した。2億3400万ドル(約262億円)の追加予算を要求している。

一方、山火事で9月までに16人が死んだ。山火事が発生した地域に滞在していた筆者の友人は、24時間で2回避難し、その間にケガをした。

歴史的にカリフォルニア州の山火事で最も危険な季節は夏より秋。残念ながら、山火事の被害はさらに拡大する可能性が高い。

カリフォルニア州の「山火事危機」の原因の一つは気候変動だと言われている。大雨や干ばつへの耐性が上がった結果、燃えやすい植物が増えた。雪が積もる山の高度が上がって、水分が少ない森が広がってきたという問題もある。

カリフォルニア州政府は二酸化炭素(CO2)を減らす方針を強く打ち出しており、山火事危機によってその方針を強める行動に駆られた。州知事は18年9月10日、州の電力の100%を45年までにCO2を発生しない発電にさせる「SB 100」と呼ぶ法案にサインした。

多くの環境活動者が喜んだが、実行するためには電力事業者は様々な問題を越える必要がある。発電からCO2を除くには、再生可能エネルギーの発電装置や保存装置の多くを電力網に接続させなければならない。

カリフォルニア州は地元の経済活動が及ぼす環境への影響をクリーンにさせるため、交通機関や建物、工場などで使うエネルギーをできるだけ電力にシフトさせることを推奨している。電力の需要を増やしながら再生可能エネルギーに切り替える必要がある。

シリコンバレーにはこの活動を支援できる技術を手掛けている企業がある。建物の電力効率を上げる、再生可能エネルギーの発電装置を管理する、などのデータ処理の技術やサービスが特に注目されている。

これらの技術を持つベンチャー企業に投資したり買収したりする電力事業者もある。世界で第5の経済力を持つカリフォルニア州の経済は、この数年、こうした形でも拡大しているのである。

[日経産業新聞2018年10月23日付]

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