2019年9月15日(日)

廃炉作業の管理監督は十分か

2018/10/14 22:15
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東京電力福島第1原子力発電所の廃炉へ向け、重要な一歩となる使用済み核燃料の取り出しが、装置の不調で遅れている。浄化処理した汚染水のデータ公開の仕方にも批判が出ている。国と東電は作業の管理・監督のあり方などを点検し、改善を急ぐ必要がある。

計画では、まず3号機の原子炉建屋の上部に保管されている566体の燃料を取り出す。今年11月ごろに始める予定だったが、2019年にずれ込む見通しだ。

装置や配線の異常は放射線などの特殊要因によるものではなく、東電の作業や品質管理がおろそかだったためとみられる。原子力規制委員会の更田豊志委員長は「手抜きにすら見える」と指摘した。装置をつくった東芝も調査するという。

東電は昨年、廃炉プロジェクトを管理運営する部門を設けた。廃炉計画を立案し、進行状況をチェックする原子力損害賠償・廃炉等支援機構の監督・支援室と常時連絡をとりあうようにした。

最近の出来事をみると新しい態勢が十分に機能しているとは思えない。原賠機構の責任も重い。

一方、汚染水をめぐっては、水に似たトリチウムという放射性物質以外は除去できていると受け止められていたが、実際は違った。非政府組織(NGO)などの指摘がきっかけで明らかになった。

東電によると、処理済み水の約8割に、排出基準を超えるヨウ素やストロンチウムなどの放射性物質が含まれている。不十分でも、できるだけ多くの汚染水を処理することを優先したためだというが、説明不足だろう。

処理済みの水は薄めて海に放出することも検討されていたが、このままでは難しい。再浄化には時間がかかり、東電に対する不信感をぬぐうのも容易ではない。

原賠機構は今月、18年版「廃炉のための技術戦略プラン」をまとめた。廃炉事業の管理態勢の強化は柱の一つだ。東電や事業者以外の外部の目も入れるなど工夫し、実効性を高めてほしい。

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