2018年10月17日(水)

「準同盟国」を増やす努力を

社説
2018/10/12付
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安倍政権はオーストラリアやインド、東南アジア諸国などとの安全保障協力を強化中だ。中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発により地域情勢は混沌の度を強める。日米同盟を基軸としつつ、「準同盟国」と呼べる国々を増やす意味は大きい。

日本とオーストラリアは10日、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をシドニーで開き、安倍晋三首相が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の推進に向けた連携を確認した。

自衛隊と豪軍が共同活動する際の法的な扱いを定める「訪問部隊地位協定」(VFA)の早期妥結をめざすことで一致。2019年に戦闘機の共同訓練を初めて実施する。安倍首相は11月に豪北部ダーウィンを訪れ、経済や安保での幅広い協力を話し合う。

連携の背景にあるのは、南シナ海やインド洋などで活発に活動する中国軍の存在だ。周辺海域での「法の支配」に基づく航行の自由は日豪にとって極めて重要だが、米国の指導力はトランプ政権のもとで陰りもみえる。

日本は東南アジア諸国との防衛交流や海上警備能力の強化に向けた協力も重視し、フィリピンやベトナム、マレーシアに巡視船の供与を始めた。安倍首相はインドのモディ首相と会談を重ね、海洋安保や社会基盤整備での協力を通じた関係強化を進める。

中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げ、アジアやアフリカ諸国への経済協力を拡大してきた。だが、一部では中国企業の過剰な進出や累積債務の増加、資金援助と引き換えの港湾の長期貸与などに反発や警戒感が広がる。日豪印などの積極的な関与は、地域の長期的な安定に資する。

安倍政権は英国やフランスとも防衛装備品の開発で協力を強化している。国際法の順守などで考え方が近い国々との連携を深め、中国の動きをけん制していく。日中の関係改善への取り組みと並行し、地道な努力をさらに続ける必要がある。

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