2018年12月11日(火)

東証システム障害の芽を摘め

2018/10/10 23:06
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東京証券取引所の株式売買システムで再び障害が起きた。9日の取引では、約40社の証券会社を経由した売買注文が一時執行できない状態に陥った。10日に復旧したものの、東証と証券会社などは原因を究明し、再発防止へ向けた対策を迅速に取ってほしい。

東証のシステム障害は初めてではない。2006年に急増する売買を処理しきれずに全面停止、12年も一部銘柄の取引が止まった。市場運営の中心である東証が障害を繰り返すようでは、東京市場の信頼に傷がつきかねない。

東証によれば、障害は異常な量のデータの受信が原因だ。東証は毎朝、証券会社と接続する際にデータをやりとりする。9日は通常の1000倍という量のデータがメリルリンチ日本証券から東証に送られ、4つある回線のひとつに障害が発生した。

そうした場合でも、残り3つある回線に振り替えられる仕組みがあったはずなのに、実際はうまく機能せず、注文を東証に出せない証券会社が続出した。影響の全容は不明だが、望んだ価格で買えなかったり、売れなかったりした投資家が相次いだのは問題だ。

東証は異常値の売買注文を受け付けないといったシステム対応はしてきたが、今回は注文の手前の段階で問題が起きた。システム上のリスクが多方面で潜んでいることを改めて浮き彫りにした。

東証はもちろん、証券会社やシステムベンダーなど関係先が連携して、システム障害のリスクの芽を細かく点検すべきだ。バックアップ手段があったのに注文を出せなかった証券会社と、影響を回避した証券会社で差も出た。その原因究明と対策も急務だ。

6月にはみずほ証券が個人向けネット取引で注文を受けられない事態に陥った。証券会社自身のシステムに不具合があった。

取引が複雑になり、高度なシステム対応が求められる時代だ。円滑かつ確実に注文が執行されてこそ、投資家が安心して参加でき、市場の競争力が保たれる。

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