Vチューバーに沸く にじむ人間性、魅力に
先読みウェブワールド (山田剛良氏)

2018/10/11 6:30
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NIKKEI MJ

9月23日に閉幕した東京ゲームショウ。この会場で21日午後、面白いセッションがあった。

会場内の画面で、Vチューバー3人の対談を披露した

会場内の画面で、Vチューバー3人の対談を披露した

3DCG(コンピューターグラフィックス)で生身のタレントのように動く「vTuber(Vチューバー)」。人気Vチューバーを会場に招き、日経ビジネスのベテランデスクと対談する企画だ。デスク自らがその場で美少女Vチューバーに変身し、バーチャル空間の対談を中継するという内容で、300人近い聴衆は大いに沸いた。

「ものすごいリアリティーに驚いた。完全に新しい世界。インターネットが始まった頃のようなワクワクを感じた」。興奮気味に話すのは日経ビジネスの山中浩之副編集長(デスク、54)。このセッションを企画した張本人だ。

会場にはVチューバー人気ランキングでベスト5に入る「電脳少女シロ」さんと、そのプロデュサー役でもある「ばあちゃる」さんを招待した。

とはいえ2人はモニターの中の存在。そこで山中デスク自らが壇上で仮想現実(VR)ヘッドセットを被り、美少女Vチューバーに変身してゲストがいる仮想空間に侵入。その場でインタビューをしてみせたのだ。

山中デスクはVRヘッドセット着用が3度目という初心者。仮想空間でのインタビューはまさにぶっつけ本番だったという。

3DVRで目の当たりにするシロさんのかわいらしさに思わず声が漏れたり、操作にまごついて体が変な形になったり、シロさんに近づきすぎて慌てて飛び退いたりといったドジっ娘な山中デスクに聴衆はバカうけ。ネット中継やSNS(交流サイト)でも「山中さん、かわいい」「ファンになった」などのコメントが相次ぎ、笑いの渦が巻き起こる楽しいセッションになった。

「カンペもみえないし、自分の身体がどうなってるか、会場からどう見えてるかも分からない。ものすごく難しかったけど、変身願望も含めて初体験を楽しめた」とは本人の弁だ。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

山中デスクが扮した美少女Vチューバーも本人がフリーソフト「Vカツ」で1時間程度で作った。Vチューバー化するシステムはシロさんらを運営するアップランド(東京・渋谷)が提供した。会場ではVRヘッドセット「オキュラスリフト」(オキュラス)とコントローラーに15万円程度のやや高性能なパソコンを組み合わせた一般的な機材を使った。

人気Vチューバー「キズナアイ」さんがNHKのノーベル賞解説サイトに起用されるなど、Vチューバーは今、急速に浸透しつつある。

Vチューバーの多くは単なるCGキャラではなく、裏に演じている人間がいる。3DCGの裏からにじむ人間性も含めた世界観が今までにない魅力になっている。

今回のセッションの最大の収穫はこうした「Vチューバーの舞台裏」を分かりやすく見せたこと。山中デスクが会場で見せた反応や失敗は「Vチューバー初心者あるある」でもある。

テーブルにのる程度の機材を揃えれば誰でもすぐにVチューバーに変身出来る時代になっている。セッションの締めに山中デスクが漏らした「これは来る(流行る)」という言葉は、自らの体験を通じた偽らざる本音だろう。

[日経MJ2018年10月8日付]

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