2018年12月19日(水)

対話なき辺野古移設は難しい

2018/10/2 23:16
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沖縄県にある米軍普天間基地の県内移設に反対する玉城デニー氏が知事選で勝利した。再び反対派知事が誕生したことを軽んじるべきではない。国は自らの主張がなぜ県民の理解を得られなかったのかをよく考え、新知事と真摯に対話すべきだ。

知事選の最大の争点は、普天間基地の名護市辺野古への移設の是非だった。玉城氏は「県内に新たな米軍基地はつくらせない」と訴え、8月に急死した翁長雄志前知事がつくった保革相乗りの「オール沖縄」の枠組みを再現した。

かつて自民党に属していた翁長前知事は、日米安保体制にも在日米軍の駐留にも賛成していた。掲げていたのは「沖縄の過重な負担の解消」だった。

にもかかわらず、安倍政権は翁長氏を反米主義者のように扱い、対決姿勢で臨んだ。振興予算を削るなど"兵糧攻め"のようなこともした。こうしたやり方が結果として、翁長路線を引き継いだ玉城氏に追い風となった。

日米両政府が普天間基地の返還で合意して22年になる。いまさら白紙に戻して、改めて移設先を探すのは現実的ではない。他方、基地はつくればよいというものではない。米軍将兵にも生活があり、地元住民の協力なしには円滑な運用は難しい。

このふたつを両立させるには、国が今後、沖縄の基地負担を劇的に改善すると確約し、途中経過として辺野古移設だけはお願いしたいというしかない。

そのための糸口はどうつくればよいのか。佐喜真淳氏を擁立した自民党はバラ色の公約をばらまいた。学校の給食費の無償化もそうだし、米軍に有利とされる日米地位協定の改定を佐喜真陣営が要望したときも否定しなかった。

それらを玉城県政でも進めればよい。安倍政権が姿勢を改めたとわかれば、県民の世論も変化しよう。辺野古沿岸の埋め立て許可を巡る裁判が近く始まる。「法的に勝てば埋め立て開始」よりも、「まず対話」が解決につながる。

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