2018年12月19日(水)

「和の政治」で政策を前に推し進めよう

2018/10/2 23:16
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「しっかりとした土台の上に、できるだけ幅広い人材を登用していきたい」――。安倍晋三首相がこう事前予告した通りの顔ぶれの改造内閣が始動した。政権の骨格である側近グループを留め置く一方、自民党の各派閥の要望を大幅に取り入れ、党内力学に目配りした布陣となった。

今回の人事の特徴は、初入閣が12人を占め、2012年の政権復帰以降で最も多かったことだ。しかも、各派閥が長らく押し込みたかったベテラン級が目立つ。自民党総裁選の論功行賞、入閣待望組の滞貨一掃という評価は、そう的外れではない。

総裁選で首相を応援した勢力からは「石破派を干し上げろ」といった声もあった。だが、首相は同派の当選3回の若手を閣僚に登用した。石破茂元幹事長の首相批判を先鋭化させない防波堤の効果をにらんだようだ。

党役員人事では、総務会長は竹下派から起用した。総裁選で自主投票だった同派に代わり、主流派の細田派や麻生派から起用する手もあったが、石破陣営だった竹下亘氏から安倍陣営だった加藤勝信氏に移すにとどめた。

いずれも大きな波風を立てることなく改造内閣を無難に船出させることを重視したといえる。

政権内がごたごたしていると、政策実現に必要な法案の国会審議は進まないし、さらなるプランの立案も滞る。今年の通常国会はその典型だった。総裁選で首相の票数が思いのほか伸びなかった背景には、最近の内閣の働きぶりも影響していよう。

重要なのは、こうした融和路線を形だけに終わらせないことだ。「和の政治」を心がけることで、政策本位の政権運営を推し進めてもらいたい。

政権が長期化するにつれ、だんだん清新さが失われていく。目先を変えようと、サプライズ人事に走らなかったのはよいことだ。菅義偉官房長官らかなめのポストが固定していることが、安倍政権の安定の基盤である。

来年の参院選は、安倍政権が2013年に圧勝したときに当選した議員の改選であり、自民党の苦戦は避けられない。

有権者がみているのは、日ごろの暮らし向きを良くしてくれるかどうかだ。留任閣僚は財務、経済産業、経済再生といった経済分野が多い。改造内閣の声価を定めるのは結局はこの面々である。

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