2018年12月12日(水)

株高持続へ企業は強み磨け

2018/10/2 0:52
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1日の東京株式市場で日経平均株価が27年ぶりの高値をつけた。日本企業が稼ぐ力を高めてきたことが評価されている。とはいえ海外に比べれば出遅れを取り戻す途上だ。貿易摩擦など懸念要因もあるが、企業は自身の強みを磨き、収益力をさらに伸ばしてほしい。

上場企業の業績は力強さを伴ってきた。2018年4~6月期決算は最終的なもうけを示す純利益が前年同期比28%増え、同期間として2年連続で最高となった。19年3月期通期は純利益が前期比0.3%減る予想だが、輸出企業の多くが円高を前提にしており、1ドル=113円前後の今の水準なら3年連続の最高益が視野に入る。

株高の背景には、企業が改革努力を重ね、資本効率が改善してきたことへの評価がある。設備投資にも動きがみられ、ロボットや人工知能(AI)の活用で生産性の向上が進むと期待する声も聞く。

利益に対する株価の水準を示すPER(株価収益率)は13倍台でバブルのような割高感はない。企業は今後も着実に利益を伸ばし、株価上昇を持続してほしい。

米中貿易摩擦や新興国の減速といった不安はある。しかし企業は過度に警戒して身を縮めるべきではない。中長期に需要が伸びる分野を見定め、成長を目指してほしい。医療機器で世界シェアが高いテルモ、インドに展開するスズキなど、市場を切り開いた企業はずっと株価を上げてきた。

この27年間で世界との差が開いてしまった。米国のダウ工業株30種平均はこの間に9倍だ。企業別の株式時価総額をみると、アップルをはじめ米国のIT(情報技術)企業が上位を独占し、中国企業が続く。日本勢はトヨタ自動車でさえ世界の30位に入れない。新たな産業の担い手をもっと増やし、新陳代謝の流れを太くしたい。

日本はまだ長いデフレのトンネルを抜け出す途中だ。日銀の金融緩和策に頼った株高である面もまた否めない。安倍政権は株高に安堵せず、社会保障・財政改革など課題に取り組んでほしい。

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