2019年5月25日(土)

保育支える人材を質と量の両面で厚く

2018/10/1 1:04
保存
共有
印刷
その他

保育サービスは、女性の就労を支える大切なインフラだ。施設と保育の担い手とを、車の両輪として増やしていく必要がある。

保育人材の確保・育成は、待機児童を減らすためだけでなく、保育の質を高めていくうえでも重要だ。官民あげて、やりがいを持って働ける環境づくりを急ぎたい。

保育士の有効求人倍率は高水準で推移している。例年、年末年始にかけて上昇するが、2018年8月はすでに2.69倍で、東京では5.41倍だ。保育士が十分に集まらず、子どもの受け入れを減らした園もある。

要因のひとつは給料水準だ。17年の民間保育士の平均給与は月額約23万円。政府は安定的な財源を責任をもって確保し、引き続き着実に処遇を改善する必要があるが、対策はそれだけではない。

まず急ぐべきは、業務負担の軽減だ。例えば連絡帳の記入など、手書きの仕事は非常に多い。IT(情報技術)化などで補える部分は大きいはずだ。部屋の掃除や遊具の消毒など、直接子どもに接する以外の仕事も切り分けられるだろう。仕事の棚卸しが不可欠だ。

次に、働き続けやすい環境整備が要る。離職する大きなきっかけに、出産・育児がある。短時間勤務など柔軟な勤務制度を工夫したい。また、自らの子どもを預けて職場復帰できれば、保育士としてその何倍かの子どもを預かることができる。自治体は優先入所の取り組みを徹底してほしい。

資格はあるが働いていない潜在保育士は多くいる。就業継続とともに、潜在保育士の掘り起こしに力を入れることが大切だ。一方で、保育の仕事の入り口を広げることも一定の効果があろう。

保育士の資格がなくても、補助などとして働ける場は少なくない。自治体などは地域住民を対象にした養成に力を入れてほしい。資格取得の後押しなど能力アップに取り組みやすい環境もあわせて整えれば、本格的に働く人も増えるのではないか。

海外では、保育や介護の仕事をするのに、共通の基礎教育を設けている国もある。こうしたやり方も検討に値しよう。

保育所などの定員数はこの5年で50万人分以上増えた。急増による質への懸念も一部に出ている。0歳児を除けば、未就学児のほぼ2人に1人が毎日、長い時間を過ごす場だ。成長を支える人材を質量の両面から充実させたい。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報