2019年3月23日(土)

次官辞任の文科省は刷新急げ

2018/9/23 22:53
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文部科学省の事務方トップが2代続けて不祥事で引責辞任に追い込まれた。教育行政は国民の信頼なくして成り立たない。不正の背景を徹底的に調査し、組織の刷新を急ぐべきだ。

同省をめぐる一連の汚職事件に関する内部調査で、戸谷一夫事務次官ら4人が業者から不適切な接待を受けていたことが判明し、国家公務員倫理規程などに違反するとして処分された。

このうち戸谷氏と高橋道和初等中等教育局長が辞職願を提出し、閣議で了承された。

東京地検特捜部は戸谷氏を任意で聴取し、次官執務室を家宅捜索していた。文科省内部や各種審議会の委員からは責任を問う声が上がっていた。政府として、対応が後手に回った印象は否めない。

発端は、同省の前局長が私立大学の補助事業に便宜を図る見返りに息子を医科大学に裏口入学させた、前代未聞の汚職事件だ。贈賄罪で起訴された医療コンサルタント会社元役員からの接待は、立件された前局長のみならず複数の部局の職員に及んでいた。

まずは省内に設置した第三者委員会を中心に、処分に値する不適切な接待などがほかにもなかったか、解明する必要がある。

さらに重要なのは、前局長が起訴された私学助成の案件以外でも踏み込んだ検証を行うことだ。国立大学への運営費交付金や科学研究費補助金の配分などについて、審査への不当な介入などがなかったか、精査が求められる。

今回の不祥事は官庁全体の問題としても捉えるべきだ。加計学園の獣医学部新設を巡り官僚が出張時に学園側の車を利用していた事例でも、国家公務員倫理規程違反として厳重注意がなされた。

国家公務員倫理法に基づく倫理規程は、官僚の贈収賄事件を受け2000年に施行された。国の許認可対象の事業者など「利害関係者」のみならず利害関係者以外からも、社会通念の上で相当と評価できない利益供与を禁じている。改めて適切な運用を求めたい。

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