2018年12月13日(木)

再エネに欠かせぬ地域の理解

2018/9/17 23:54
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環境省が大規模な太陽光発電所を国の環境影響評価(環境アセスメント)法の対象に加える検討を始めた。対象になれば、事業者は環境に及ぼす影響の事前調査や住民への説明が義務付けられる。

太陽光や風力など再生可能エネルギーはできるだけ伸ばしたい。そのためには地域の理解や環境への配慮が不可欠だ。太陽光発電を息長く育てるために、適切なルール導入はやむを得ないだろう。

有識者会議での議論を経て、2019年度にも対象に加える。

再エネは12年に始まった固定価格買い取り制度の後押しを受けて導入量が急増している。全体の約9割を占める太陽光がけん引役になってきた。太陽光は環境アセスメントが不要で設備工事の期間が短い。すでにアセスの対象である風力や地熱発電に比べて参入しやすかったのは確かだろう。

しかし、導入拡大に伴い、太陽光発電所の建設をめぐって自然環境の破壊や景観の悪化を理由に、地元の住民や自治体とトラブルになるケースが増えている。

環境省によると、全国で49自治体が大規模太陽光発電を対象とする独自の条例を導入し、建設の制限に乗り出している。静岡県伊東市では、市長の同意を得ずに発電所の建設に着手したのは条例違反にあたるとして、伊東市が事業者を経済産業省に報告した。

防災面の理由から規制に動く自治体もある。7月の西日本豪雨では、広島県や兵庫県など西日本の15カ所の太陽光発電所が、土砂崩れで破損したり、増えた雨水で水没したりする事態になった。

神戸市では太陽光パネルを設置した斜面が崩れ、近くを走る鉄道の運行に影響が出た。これを受けて、神戸市は事業用太陽光発電の設置の報告を義務付け、設置場所を制限する条例の準備を始めた。

太陽光が環境アセスメントの対象になる結果、手続きの手間やコストが増え、導入機運が失速するようではもったいない。アセスの作業を迅速に進める方法を考えることも大切だ。

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