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経済と外交戦略の中身めぐる論戦さらに

自民党総裁選の立候補者による日本記者クラブ主催の討論会が開かれた。安倍晋三首相(総裁)と石破茂元幹事長は人口減社会への対応が急務だと訴えたが、どんな政策が最も有効だと考えているのかは明確にならなかった。経済運営や外交戦略の中身について論戦をさらに深めていくべきだ。

首相は冒頭に「国難とも呼ぶべき少子高齢化に真正面から向き合う」と述べ、教育無償化など子育て世代への投資を重視すると表明した。外交では「環太平洋経済連携協定(TPP)や日欧経済連携協定(EPA)といった新しい世界のルールを日本が主導して作り上げていく」と語った。

石破氏はアベノミクスについて「どんなに大企業がもうかろうと株を持つ人がお金持ちになろうと、それが地方や中小企業、農林水産業に波及するわけではない」と指摘。地震や台風による被害拡大を踏まえ「専任の閣僚、スタッフがいる防災専門の部署が平時から必要だ」と述べ、持論である「防災省」創設を求めた。

首相は大胆な金融緩和の出口を探る考えがあるかを問われ、「ずっとやっていいとは全く思っていない。私の任期のうちにやり遂げたい」と語った。財政や金融政策をめぐり、政府と日銀が今後どのような視点で取り組む方針なのかをもっと説明してほしい。

政治姿勢をめぐっては、石破氏が「民主主義を機能させるには主権者に不都合な情報も伝え、少数意見の尊重が必要だ」と強調。首相は財務省による決裁文書の改ざんを踏まえ、公文書管理を徹底していくと説明した。

安倍政権では森友、加計両学園の問題が国会で追及され、行政の公平性に対する国民の信頼が揺らいでいる。自民党は疑惑の解明や再発防止の徹底に向けた取り組みをもっと強化すべきだ。

首相と石破氏は、憲法改正への考え方も溝がある。首相は9条に3項を設け、自衛隊の存在を明記したい意向だ。石破氏は戦力不保持を定めた2項の削除を主張し、参院選の「合区」解消に向けた改憲を優先する立場だ。まず党内で方向性を煮詰め、国民に理解を広げていく努力が必要だ。

総裁選は20日の投開票までに地方演説会などを予定している。北海道地震や首相のロシア訪問で公式行事が減った。残る時間を有効活用し、日本が抱える諸課題への処方箋を明らかにしてほしい。

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