2018年9月20日(木)

春秋

春秋
2018/9/14付
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 中華料理の高級食材である干しナマコは海参とも呼ばれる。「海の朝鮮人参」の意味で、実際に滋養に富んでいるそうだ。漢方薬の材料にも用いられてきた。近年、中国経済の発展とともに需要が拡大し値段は高騰してきた。「海のダイヤ」との呼び声まであるという。

▼中国語でこの海参を名前に冠した街がある。極東ロシアで最大の都市ウラジオストクだ。1949年に中華人民共和国が誕生したあと、大陸の公式文書や国営メディアではロシア名に沿った長々しい表記に改められた。だが日常会話では、「干しナマコの高台」といった意味の旧来の呼び方である海参●が、今も一般的だ。

▼ウラジオストクという名称が登場したのは、1860年の北京条約でロシア帝国が清朝から沿海州一帯を獲得して以降である。ロシア語で「東方を支配する街」とか「東方を征服せよ」といった意味らしい。プーチン大統領が毎年ここで経済フォーラムを主催して日本や中国の首脳らを招待しているのは、意味深ではある。

▼前提条件なしで平和条約を年内に……。今年のフォーラムで大統領は安倍首相に突然こう呼びかけた。日ロ交渉の経緯をないがしろにするようなくせ球である。北方領土をめぐる大統領の発言はかねてナマコのようにつかみどころがなかったが、いよいよわかりにくい。残念ながら日本にとっておいしい展開にはみえない。

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