2018年11月22日(木)

北海道地震で続く混乱を最小限に抑えよ

2018/9/14 0:01
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北海道南西部の地震から1週間が過ぎたが、混乱が続いている。道全域に及んだ停電はほぼ解消したものの、電力供給は綱渡りが続き、物流が停滞している。家を失った人も多く、避難の長期化は避けられない。官民が全力を挙げて混乱を最小限に抑えてほしい。

道全域が停電した異例の「ブラックアウト」は、北海道電力が休止中の発電所を稼働させてほぼ解消した。だが、主力の苫東厚真火力発電所は損傷箇所が多く、全面復旧は11月以降になる見通しだ。まずは北海道電が発電所の保守・管理に万全を期し、供給責任を果たすことが欠かせない。

経済産業省は電力消費を2割抑える節電目標を決め、企業や消費者らに要請した。道内では鉄道や地下鉄が運転本数を減らし、公共施設も一部のエレベーターを止めるなどの措置をとっている。

経産省と北海道電は節電目標に届かない場合、地域と時間を決めて電気を止める計画停電を検討している。だが、計画停電は市民生活や経済への悪影響が大きい。知恵を絞り、極力避けるべきだ。

節電以外にも対策はある。工場の操業時間を日中から深夜にシフトする企業が出ている。こうした例が増えれば電力需要のピークを抑える効果は大きい。従業員の負担にも配慮して進めてほしい。

オフィスや家庭でも照明を控える、使わない電気製品のコンセントを抜くなど、節電をもう一段強めたい。寒冷期になると暖房が増え、電力需給はさらに逼迫する。停電の再発を防ぐためにも危機感をもって取り組んでほしい。

大規模な土砂崩れが起きた厚真町では、多くの家屋が土砂に押しつぶされた。札幌市内でも地盤の液状化や道路の陥没が起き、自宅に住めなくなった人が多い。断水も続き、生活インフラの復旧には時間がかかりそうだ。

2年前の熊本地震では避難生活で体調を崩して亡くなる災害関連死が相次いだ。これを繰り返してはならない。避難所を巡回する医師や看護師を増やし、被災者の体や心のケアが欠かせない。空き家などを活用した「みなし仮設住宅」の確保も急ぐべきだ。

ブラックアウトが起きた原因はなおも不明な点が多い。大規模な土砂災害や地盤の液状化も、ハザードマップの予測を超えた可能性が指摘されている。これらの原因をきちんと解明し、今後の防災対策に生かすことが重要だ。

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