/

コンビニ大手 三つどもえの戦い ゲーム感覚 決済普及の鍵

読み解き 今コレ!アプリ フラー最高マーケティング責任者、杉山信弘

NIKKEI MJ

スマートフォン(スマホ)保有率の高まりとともに、様々な業界でスマホアプリの活用が浸透しつつある。その筆頭が小売業界。特に消費者との接点が多いコンビニエンスストア業界ではシェア争いにとどまらず、アプリ活用の熾烈(しれつ)な競争が起きている。急先鋒(せんぽう)が、6月に刷新したセブン―イレブン・ジャパンのアプリだ。

アプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」によると、セブン―イレブンのアプリは6月、週間アクティブユーザー(WAU)ベースで刷新前の10倍以上のユーザーを獲得した。先行していたローソンファミリーマートのアプリのユーザー数を一気に抜き去った。

セブン―イレブンのアプリは刷新に伴って、独自性のある機能を強化している。

そのひとつが「セブンマイルプログラム」。セブン&アイ・ホールディングス(HD)のグループ共通ID「7iD」を活用し、グループ各企業での購買金額に応じて、特典を付与するロイヤルティープログラムだ。

セブンマイルプログラムは電子商取引(EC)サイトとリアル店舗の相互送客、会員のグループ企業内の回遊を促すことを主目的としている。

コンビニの来店頻度の高い。そのためセブン―イレブンのアプリは、イトーヨーカ堂などセブン&アイHDグループ全体のオムニチャネル戦略の成否を左右しそうだ。

セブン―イレブンのアプリでは「バッジ機能」が目を引く。会員や電子マネー「nanaco(ナナコ)」登録といった事務的な手続きのほかに、商品購入のような行動を「バッジ」として一元管理しており、ゲームアプリの「ミッション」のような楽しさがある。

一方で、コンビニアプリの「コア機能」である決済機能に関しては、ローソンとファミリーマートに一日の長がある。

ローソンでは、来店客が商品のバーコードをスマホで読み取って決済できるサービス「ローソンスマホペイ」を東京都内の一部店舗で始めている。

2017年の日本銀行のリポートによると、日本でのスマホなどモバイル決済の利用比率は10%にも満たない。だが、今後、モバイル決済が普及する可能性は大きい。

モバイル決済は、セブン―イレブンのアプリのバッジのような購買体験を楽しくする機能とともに普及すると筆者は考えている。

スマホアプリは、企業の販促活動を「ゲームレベル」まで昇華できるからだ。曜日や時間に応じた訴求ポイントの変化や、ユーザーの習熟度に応じた1to1マーケティングも進行するだろう。

単なる決済機能だけでは、モバイル決済のインフラを持つ米アップルや米グーグルにひとまとめにされてしまうのは避けられないであろうから。

[日経MJ2018年9月12日付]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

日経MJをPC・スマホで! まずは1カ月無料体験

消費と流通の未来を先取りする、最先端の情報を発信。「日経MJビューアー」ならスマホ・タブレット・PCで読めます。直近30日分の紙面イメージを閲覧でき、横書きのテキストに切り替えて読むこともできます。初めての方は、まずは1カ月無料体験。

詳細はこちらから

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン