WAmazing 訪日客に無料SIM
チャーリーの丸わかりビジネスモデル(4)
海外旅行で現地に到着した際、「通信手段の確保」や「移動する手段の確保」に不満を感じる旅行者は多いのではないだろうか。
訪日外国人旅行でも、Wi-Fi環境など無料通信インフラの未整備や、外国語が通じないために移動が困難といった課題の解消が指摘されている。総務省と観光庁の調査によると、訪日外国人が旅行中に困ったことで最も多かったのが「無料公衆無線LAN環境の不備」だった。
こうした不満を無料配布のSIMカードで解決するのが「WAmazing(ワメイジング)」というアプリサービス。同名の企業がサービスを提供している。訪日外国人は日本全国の空港で配布している無料SIMカードを入れた自分のスマートフォン(スマホ)で、タクシーや観光ツアーの予約、決済をワンストップでできる。

SIMカードを通じて旅行の記録が蓄積されているため、帰りの空港で「お土産を買い忘れてしまった」という旅行客に最適なリコメンド広告も届けられる。
現在、訪日外国人の約4分の1を占める台湾・香港の訪日観光客にターゲットを定めている。サービス開始から半年で1万2000人が利用し、2020年で500万人が利用するプラットフォームを目標にしている。
今は訪日外国人旅行者をターゲットにしているけれど、将来的には、日本人観光客に地方の魅力を伝えることで、観光による地方創生も視野に入れているという。20年の東京オリンピックを控え、外国人旅行者が増えている日本で、これからも目が離せないサービスだ。
[日経MJ2018年9月12日付]
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