2018年9月26日(水)

北は経済再建へ非核化進めよ

社説
2018/9/8付
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 北朝鮮は9日、建国70年を迎える。今年に入って経済に国力を集中させる新たな国家路線を掲げているが、閉鎖的な独裁体制の下での立て直しには限界がある。制裁圧力を緩和し、経済支援や投資を呼び込むためにも、まずは非核化に取り組むべきだ。

 鉱物資源に恵まれ、日本の植民地時代は工業地帯だった北朝鮮は1960年代まで韓国より豊かだった。だが、旧ソ連・東欧の社会主義政権の崩壊や軍事力優先の国家運営が響き、急成長した韓国との経済格差は名目国民総所得(GNI)比で、1対45まで広がった(韓国統計庁調べ)。

 韓国銀行によると、17年の北朝鮮の実質国内総生産(GDP)は前年比3.5%減少し、マイナス成長に転じた。制裁の長期化が疲弊した経済に追い打ちをかける。いくら金正恩委員長が設備の刷新と生産増大を命じても、根本的な解決にはならない。

 北朝鮮は建国70年に向け、平壌で大規模な軍事パレードの準備をしているとされる。米朝和解ムードで体制が緩まないように結束を強め、権威を誇示する狙いが読み取れるが、住民が本当に欲しているのは生活の向上ではないか。

 金委員長は米朝首脳会談で訪れたシンガポールの夜景をみて、「様々な分野で知識と経験をたくさん学ぼうと思う」と語った。その言葉に偽りがなければ、政治指導者として改革・開放政策を積極的に主導するのが筋だ。

 朝鮮戦争の終結宣言をするにも、それに見合う非核化への動きが欠かせない。急ぐべきは核リストの申告と非核化工程表だ。朝鮮半島の安定への一歩となり、北朝鮮の体制維持にもつながる。

 韓国の文在寅大統領と金委員長の南北首脳会談は、平壌で18日から20日まで開くと決まった。金委員長は韓国高官に、トランプ米大統領の1期目の任期が満了となる21年1月までに、米朝の敵対関係の清算とともに非核化を実現したい考えを示したという。有言実行を求めたい。

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