2018年11月21日(水)

春秋

2018/9/2 1:12
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宇宙での戦い、といえば古くからSF作品の定番である。タコ型の宇宙人が攻めてきたり、どこかの星の王女様と冒険の旅に出たり。楽しいけれど、どちらかといえば子ども向け。そんなイメージをかえたのが、1977年公開の米国映画「スター・ウォーズ」だった。

▼巨額の資金をかけ、壮大なスケールで描き出される宇宙物語は、多くの大人たちをとりこにした。そして現在もなお、続編がつくられている――などと思っていたら、どうやら宇宙での戦いは「遥(はる)かかなたの銀河系」ではなく、いつのまにか私たちの頭上の脅威になっていたようだ。今年の防衛白書が、そう警告している。

▼主要国が宇宙空間で軍事的に優位に立とうとしのぎを削っていて、相手の衛星を攻撃するキラー衛星などが開発されているらしい。米国は宇宙軍までつくるという。過去の名作と違うのは、異星人が出てこないことだ。現実の宇宙物語の主役は米中にロシアなど、おなじみのメンバー。もちろん夢やロマンはかけらもない。

▼街の喧騒(けんそう)から離れ、旅先や帰省先で見上げる夜の空。満天の星に息をのんだ思い出は誰にもあるのではないだろうか。夢と冒険にあふれたそんな美しい世界に、大国の利害むき出しの争いは似合わない。どうかすべての国がその愚かさに気がつき、宇宙でいざこざを起こしませんように。星に願いが届けばいいのだけれど。

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