2018年9月24日(月)

春秋

春秋
2018/9/1付
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 関東大震災は発生が昼時だったため火災が被害を広げた。当時の東京市の銀行本支店448カ所のうち、343の店が類焼したという。その中で猛火をしのいだ一つが、東京・日本橋にあった住友銀行(現在の三井住友銀行)東京支店。備えと行員の踏ん張りがあった。

▼この支店は手動式ながら鋼製の防火シャッターを窓など各所に設置していた。避難してきた人々を収容しつつシャッターを閉じて回ったのが、平賀昌一という庶務係主任と部下たちだ。設備とそれを非常時に使いこなす冷静さ。どちらかが欠けても困る防災の基本だろう。地震から7日目、支店はいち早く営業を再開した。

▼きょう防災の日を機に、企業も、災害に負けない備えを入念に点検したい。準備があればこそ落ち着いて行動できる。自家発電機は動かし方を練習しておく必要があるし、燃料が十分か見落としやすい。予備の情報機器の確保、食料の備蓄、もちろん従業員の安否の見極め――。早めの事業再開にはどれも確認を怠れない。

▼気になるのは、早期に事業を復旧させる手順をまとめた「事業継続計画(BCP)」のある企業が少ないことだ。帝国データバンクの調査によると、BCPを作成済みの企業は15%にすぎない。業種別では金融が最も多いが、それでも39%。関東大震災でみせた危機対応力が、その後、業界に浸透したわけではないようだ。

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